【ボクシング】中谷正義、元3階級王者・ロマチェンコと至高のマッチアップ 強敵相手に“番狂わせ”の可能性は

 

【ボクシング】中谷正義、元3階級王者・ロマチェンコと至高のマッチアップ 強敵相手に“番狂わせ”の可能性は
ベルデホ戦では激闘の末にKO勝利を収めた中谷正義(2020年12月12日)(C)Getty Images

■ジャブ、クリンチ、右ストレート…アップセットの可能性は

中谷は身長182センチ、ライト級では抜きん出た長身だ。ロマチェンコとは身長で12センチ、リーチで14センチのアドバンテージがある。ロマチェンコが過去に対戦した相手では、ホセ・ペドラザ(プエルトリコ)が体型的に近い。ロマチェンコはペドラザの長い腕をさばくのに苦労し、ダウンは奪ったものの判定に持ち込まれている。

ロマチェンコはライト級では体が見劣る。ロペス戦も体の大きさ、強さで押しまくられ、前半でポイントを失ったのが敗因だった。中谷としては、まずは体格差を生かすことが第一だ。作戦面ではジャブを突いて距離を保ちたい。インサイドに入られてしまうと、好き放題にやられてしまう。

もし、距離が詰まったときには長い腕でクリンチするのが得策。世界最強を相手にきれいごとを言っている場合ではない。クリンチ、ホールドで相手をイライラさせることも場面によっては選択肢に入るかもしれない。そして、機を見てホルへ・リナレスがダウンを奪った右カウンターを徹底して狙いたい。作戦がハマれば、ひょっとしてひょっとする……かもしれない。

中谷はOPBFタイトルを11度防衛した実力者。彼が喫した唯一の1敗も、実はテオフィモ・ロペス戦のものであり、0-3の明確な判定でありながら善戦が光った。その力関係からすると下馬評ほどの差はないのかもしれない。

中谷は「一度負けたら引退する」と公言し、実際にロペスに敗れた後、一度引退してしまった。復帰2戦目に決まったロマチェンコ戦についても、「世界戦じゃないのでうれしさはない」「外から見るとすごいと思うだけで大差ない」など、いっぷう変わった発言を繰り返している。掴みどころのない不思議なキャラクターだが、大一番を前にアップセットの雰囲気も漂ってきている。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

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