【ラグビー】神戸製鋼・山下楽平が語る「ウイング論」 紙一重の判断に求められる戦術とマインドとは

 

【ラグビー】神戸製鋼・山下楽平が語る「ウイング論」 紙一重の判断に求められる戦術とマインドとは
神戸製鋼・山下楽平(写真提供: 神戸製鋼コベルコスティーラーズ)

■「ウイングよりもフルバックが向いている」と語ったワケ

―ほかのチームのウイングで、すごいなと思う選手はいますか。

脅威を感じるという意味では、サントリーのテビタ・リーですかね。トイメンだったら、嫌やなと思います(笑)。ただ正面に突っ込んでくるだけのパワー型の選手だったら、勇気さえあれば止められるんですよ。でも、彼のように強くてスピードもあって、ずらしてくる選手は止めにくい。いかにスピードに乗っていない状態でタックルを仕掛けるかがポイントでしょうね。今年は対戦がありませんでしたけど、来年、ぶつかるのを楽しみにしています(笑)。

福岡堅樹も、やっぱりすごいな、と思いますね。高校のときに、一度、トイメン同士で対戦したことがあるんですよ。そのとき、5メートルの幅で抜かれそうになって、ものすごく速い選手だなとびっくりした記憶があります。それが世界でもトップクラスのウイングになったんですから、本当にすごいことですね。

―ウイング以外に興味があるポジションはありますか。

ラグビーを始めてから、バックスのポジションはすべて経験しました。正直言って、自分はウイングよりもフルバックが向いているんじゃないかと思っているんです。

たとえば、福岡選手はステップやパス、キックを総合的に考えると、それほど器用なタイプじゃない。でも、爆発的なスピードと緩急をつける能力があるから、大外を走り切ることができるわけです。彼のように何かひとつのプレーに秀でている選手がウイング向きだと思うんです。

その点、ぼくは大外を走り切るイメージよりも、相手選手の間を抜いていくプレーのほうが合っていると思うんです。似たタイプでいえば、松島幸太郎ですね。

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松島選手も大外でもらうだけでは、彼の持っている優れたオプションが減ってしまう。いろいろなオプションを発揮できるフルバックでこそ、彼の良さが生きると思います。

―フルバックで出場するという話はないんですか。

実は、僕も神戸製鋼で5試合ほどフルバックとして出ているんですよ。ただ、今のチームには山中さん(山中亮平)が15番で固定されていますからね。スターティングでフルバックに入るためには、山中さんを超えなくちゃいけません(笑)。もし、山中さんがケガなどでプレーできなくなったら、自分がフルバックに入ると思いますが……。

山中さんは本当にうまいな、と思います。単純にラグビーが本当にうまい。それは身体能力やキックの飛距離ということだけではなくて、相手を引きつけておいてギリギリでパスを出したり……、何なんでしょう、センスですかね。基礎中の基礎のプレーが抜群にうまいです。

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写真提供:
神戸製鋼コベルコスティーラーズ

著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

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