■新たな取り組みもスタート、競技普及を通じて「ラグビーに恩返しを」

―SNSでの発信も積極的な山下選手ですが、最近スタートしたUnlim(※)での取り組みについて教えてください。
(※ Unlim=アスリートがファンの「応援だけでは伝えきれないたくさんの想い」を直接受け取ることが出来る、スポーツギフティングサービス)
僕は、ラグビー・アカデミーのアンバサダーをさせてもらっています。今の状況で小学生がラグビーをしようと思うと、地域のラグビースクールがメインになります。でも、ラグビースクールで指導をしてくれているのは、仕事を持っているボランティアの人たちです。ですから、活動は土日に限定されているんです。
一方で、平日の放課後にもラグビーをしたいという子供たちも増えているんです。その状況を改善したいと考えたときに、自分ひとりではできることに限界がある。そこで、Unlimを使うことで幅を広げたいと思いました。
今後のラグビー界を考えると、ジュニア、ユースの育成は欠かせません。同じ考えを持つ人にサポートしてもらって、競技普及に貢献して、ラグビーに恩返しをしたいと思っています。
―トップリーグが幕を閉じ、新リーグが始まります。今後のラグビー界についてどう考えていますか。
2015年、2019年のワールドカップで盛り上がったラグビー熱をさらに高いところに持っていけるかどうかは、やはり新リーグにかかっています。2021年は海外からスター選手がたくさん来てくれて、とても盛り上がりました。つかんだ手応えを何とか生かしたいですね。
新リーグもプロリーグとしてやる以上、収益が見合うことが大前提ですね。いくら無観客で盛り上がっても、目的は達成できません。新リーグ開幕時に、コロナが収まっていることを願うばかりです。
プレーヤーとしては、いい準備をしていいプレーをすること以外にできることはありませんけど、アカデミーも含めて関係者みんなでできることは何でもしていきたいですね。
―最後に山下選手個人の目標を聞かせてください。
新リーグが始まる来年の1月には30歳になります。ラグビーを始めた7歳のときには、30歳でプロの選手になっているなんて夢にも思いませんでした(笑)。
幸い、体力の衰えやマイナス面は何も感じていません。節目の年と考えて、まだまだ成長する姿を見せたいですね。チームとしては優勝できなかった悔しさを感じながら、一日一日を大切にステップアップして、新リーグの初代チャンピオンを目指します。
◆神戸製鋼・山下楽平が振り返る最後のトップリーグ クボタとの死闘、ドコモ戦劇的勝利の舞台裏
◆神戸製鋼・山下楽平が語る「ウイング論」 紙一重の判断に求められる戦術とマインドとは
◆パナソニックの優勝で幕を閉じたトップリーグ 日本人の若手スター候補も続々と登場

著者プロフィール
牧野森太郎●フリーライター
ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。










