【ボクシング】初防衛戦を迎える若武者・中谷潤人 好結果を残せば“評価急上昇”の可能性も

中谷潤人(左)とアンヘル・アコスタ(右)(2021年9月9日)(C)Getty Images

WBO世界フライ級チャンピオン中谷潤人(MT)の初防衛戦が10日(日本時間11日)、アメリカ・アリゾナ州ツーソンで行われる。対戦相手は同級1位で指名挑戦者のアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)。灼熱の地で行われる注目の一戦を展望しよう。

◆【実際の動画】中谷本人による前日計量の様子と2018年10月に行われた2回目のWBO世界ライトフライ級防衛戦で見事なKOをみせるアコスタ

■23歳のスーパースター候補が迎える初防衛戦

中谷は21戦21勝(16KO)と、未だに負けを知らない注目株。昨年11月に田中恒成が返上した空位の王座をジメール・マグラモ(フィリピン)と争い、8ラウンドに左アッパーでKO勝ちしてベルトを巻いた。何と言っても全勝の世界チャンピオンという肩書きは魅力だ。しかも、23歳と若くルックスもいい。今後のスーパースター候補と言えるだろう。

中谷がボクシングを始めたのは中学の時で、中2、3年のときにはU15で2年連続優勝と、すぐに頭角を現した。高校進学を選ばず、単身カリフォルニアに渡って修行するというボクシング一筋の人生を選んでいる。

しかも、そのときに師事したのが名トレーナーのルディ・エルナンデス。今回の防衛戦も師匠のアドバイスが支えとなるはずだ。

中谷はフライ級では破格の170cmという長身ボクサーだ。リーチを生かして懐深く構えるサウスポー・スタンスは攻略が難しく、これまでもピンチらしいピンチに陥ったことがない。日本チャンピオン時代は雑なところがあったが、最近の試合はさらにディフェンスの技術が向上している。

攻撃面では、左右の長いフックに威力がある。ただし、それも右ジャブで距離を保ってこそ生きるパンチ。マグラモとの試合でも、接近しての撃ち合いは互角だった。自分の距離で戦うことが勝利への鍵となるだろう。

■挑戦者はプエルトリコのハードパンチャーの系譜を引く

挑戦者のアコスタは30歳。2017年、名古屋の武田テバオーシャンアリーナで田中恒成が持つWBOライトフライ級タイトルに挑戦したが、そのときは判定で敗れた。ダウンを奪われ判定も明白だったが、随所に強打者ぶりを発揮した好試合だった。

その後、田中が返上した同タイトルをファン・アレホ(メキシコ)と争い10ラウンドKOで戴冠したが、2019年に4度目の防衛戦でエルウィン・ソト(メキシコ)に敗れてタイトルを明け渡した。

この試合は大差でリードしていた最終回に逆転KOされたものだった。レフリーのストップが早過ぎたという論議も起こった。なお、ソトは今年の5月に高山勝成を退けて3度目の防衛に成功している。

アコスタの長所は、22勝21KOが示す通りのパンチャー。特にコンパクトな左フックが強い。直近の試合が判定勝ちに終わっているが、8回戦、スーパーフライ級の契約ウエイト、1年半ぶりの試合、といった条件が影響したもの。ダウンを奪って圧倒していた内容から、あと4ラウンドあればKO濃厚だった。

プエルトリコからはウィルフレド・ゴメス、フェリックス・トリニダードなど稀有のハードパンチャーが出現する。そうそうレジェンドたちと比べるわけにはいかないが、バランスのいいオーソドックスから繰り出される強打は魅力だ。


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