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【スポーツビジネスを読む】バスケ版「チャンピオンズリーグ」の仕掛け人 東アジアスーパーリーグ、マット・ベイヤーCEO 前編 EASL実現までの道のり

【スポーツビジネスを読む】バスケ版「チャンピオンズリーグ」の仕掛け人 東アジアスーパーリーグ、マット・ベイヤーCEO 前編 EASL実現までの道のり
インタビューに応えてくれたEASL CEOマット・ベイヤーさん(左)、共同創業者でありCFO ヘンリー・ケリンズさん(右)

■琉球ゴールデンキングス木村達郎社長との出会い

こうした国際的な座組を構築する際、日本のドメスティックな協会などはなかなか具体的な検討に入ってもらえないものと私自身には刷り込まれている。ゆえに、日本の対応はどうだったのか非常に気になった。

「最初の訪問は非常に重要だったと思います。2016年から各国を訪問するようになったのですが、その初期段階で足を運んだのがBリーグでした。私たちにとってラッキーだったのは、まだBリーグが始まったばかりだった点です。ご存知の通り日本ではプロが2リーグに分裂していて、Bリーグとしてひとつのプロ・リーグの形成期でした。ちょうど日本の(バスケ界の)人々が、新しい何かを求めている時期だったのが、幸運でした。Bリーグは短期での成長を目指していましたから、ポジティブな反応をもらえたのだと思います」とやや意外な回答が戻ってきた。

「ただし、具現化のためにはプロアクティブな人、前向きな人を見つけなければならないとも思いました。そうして出会ったのが、琉球ゴールデンキングスの達郎さん(沖縄バスケットボール株式会社木村達郎代表取締役社長)でした。彼は自ら沖縄に移住し、BJリーグ時代にチームを興し、2023年の(バスケの)ワールドカップで受け入れ先となるようなキング・アリーナを作り上げ、クリエイティブで新しいことにチャレンジする、私たちをサポートしてくれるような人物。そこからがスタートでした」と自分たちの着想をサポートしてくれるような人々を真っ先に見つけ出したのだとか。

琉球ゴールデンキングスでプレーする岸本隆一

こうしてベイヤーさんたちは日本の次に、フィリピン、韓国、台湾と調整にまわった。各マーケットで初日から「これはいいアイディアだ」と言ってくれる人たちと出会い、新企画のステークホルダーになってくれたメンバーは、アライアンス先であり、サポーターであり、友人であり、そんな人物ばかりだったという。時として難しさの違いはあったがどの国、地域でも、そういう人物を見つけられたそうだ。

あらかじめ開催国は地理的にシンガポール、香港、マカオに目星を付けていた。「この3都市は地理的には各国のリーグに属していなかったこと、外交的にも地理的にも各国からアクセスがよかったこと、そして大イベントをホストする能力を備えていたから」と明確な理由があった。

■香港から北京へ飛び、マカオ開催を決める

中国との良好な関係性と少しばかりの幸運もあった。ベイヤーさんは北京体育大学の講師でもあったので「2016年6月に古い友人でもある大学の学長に電話を入れて『マカオに親しい知り合いはいないか』と訊ねました。すると『ちょうど明日、マカオのスポーツ局のトップと夕食を一緒するんだ』と言われ、私は香港から北京に飛んで戻りました。これが素晴らしい出会いとなり、イベントについて内々の承諾を得るとともにスポーツ局のサポートも受けることができました。さらにスタジアムのあるカジノ、統合型リゾート(IR)の協力までOKをもらえました」と、まさにとんとん拍子で開催地が決定したという。

カジノ側としてはこうした大規模イベントが、そのPRになるというメリットを踏まえての流れではあった。それでも「IRが私たちのビジョンを買ってくれたおかげで、マカオ政府もそのビジョンに賛同してくれました。おかげで最初のイベントをマカオで難なく実施することができました。また各国への映像中継を計画していたのですが、このカジノの設備が素晴らしく、オンエアの成功に繋がりました」とマカオとの関係性が初年度成功の鍵だと語った。

ロードマップのほんのスタートに過ぎなかったこのイベントは、千葉ジェッツの優勝で幕を閉じ、アジア圏で2100万人の視聴者を集める成功に終わった。イベントの後、マカオのスポーツ局から連絡があり、最大のスポンサーとしてのオファーと、次イベントからの共催が決まったのだとか。

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「突如、私たちはマカオでもっと大きなスポンサーをかかえる企業なりました。そして、何よりも(こうした大口スポンサーを得ることで)イベント開催のリスクは一挙に軽減したのです」とバスケットボール版UEFAチャンピオンズリーグを立ち上げる上で、大きな前進を遂げた。

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著者プロフィール

松永裕司●Stats Perform Vice President

NTTドコモ ビジネス戦略担当部長/ 電通スポーツ 企画開発部長/ 東京マラソン事務局広報ディレクター/ Microsoft毎日新聞の協業ニュースサイト「MSN毎日インタラクティブ」プロデューサー/ CNN Chief Directorなどを歴任。出版社、ラジオ、テレビ、新聞、デジタルメディア、広告代理店、通信会社での勤務経験を持つ。1990年代をニューヨークで2000年代初頭をアトランタで過ごし帰国。Forbes Official Columnist