【Bリーグ開幕】スキマ時間に絶え間なく現れるパフォーマー…野球やサッカーとはまた異なる空気感に注目

3シーズン目となる男子プロバスケットボールBリーグの開幕戦、「XFLAG DAY」千葉ジェッツVS川崎ブレイブサンダースが10月4日に船橋アリーナで行われた。

ハーフタイムには10月5日から公開される劇場版アニメ「モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ」で映画主題歌を担当したきゃりーぱみゅぱみゅさんがサプライズ登場するなど、試合以外でも盛り上がりどころ満載のイベントとなった。

川崎に軍配があがる

試合は、川崎ブレイブサンダースが、昨シーズン準優勝の千葉ジェッツに81-72で勝利した。3シーズン目のB1開幕戦は、エースのニック・ファジーカスが欠場したものの、川崎に軍配が上がった。

千葉は、立ち上がりから違和感があった。第1クォーターで開始から4本のシュートを放つも、得点につなげられなかった。シュート確率も51.7%の川崎に対し、40.3%と及ばなかった。

川崎は試合が終わってみれば5人が2桁得点で、千葉に的を絞らせなかった。川崎の辻直人選手は「どこでも点が取れることを証明できた」とチームの得点力を誇った。

辻直人選手

千葉ジェッツメンバー

番号 スターター 選手名
1 ジョシュ・ダンカン
2 富樫勇樹
3 マイケル・パーカー
5 田口成浩
8 大宮宏正
10 アキ・チェンバーズ
11 西村文男
15 藤永佳昭
21 ギャビン・エドワーズ
27 石井講祐
31 原修太
34 小野龍猛

川崎ブレイブサンダースメンバー

番号 スターター 選手名
0 藤井祐眞
3 林翔太郎
4 青木保憲
7 篠山竜青
14 辻直人
18 鎌田裕也
21 バーノン・マクリン
22 ニック・ファジーカス
31 シェーン・エドワーズ
33 長谷川技

それぞれの選手が「自分で何とかしよう」と思いすぎてしまった

日本代表で千葉ジェッツ司令塔の富樫勇樹選手は、持ち前のスピード溢れるプレーを活かしてチーム最多18得点を挙げるも、勝利には届かず。

代表活動の影響によりチームに合流したのは9月末で、「正直、開幕戦への不安はあった。新加入選手とのコミュニケーション不足もあった」と試合後に明かしていた。

富樫勇樹選手

千葉の大野篤史ヘッドコーチは攻守がうまく機能しなかった理由として、立ち上がりがうまくいかず、それぞれの選手が「自分で何とかしよう」と思いすぎてしまったことを指摘。

大野篤史ヘッドコーチ

富樫選手も、「オープンな選手を作れていたけどなかなか決まらない時間帯があったので、そこで1対1(の勝負)に走ってしまった部分もあります」と同意した。

川崎司令塔の篠山竜青選手は、「ただ、動揺せずにスタートの5人だけではなく、出場した選手全員が良いところを出せたと思っています。これで(チームとして)完成ではないですが勝利できましたし、いろんな課題も見つかったので、収穫がたくさんあったゲームでした」と試合を振り返った。

篠山竜青選手

スポーツは、エンタメ。

2016年から開幕し、3季目となるBリーグ。開幕戦の様子を観戦していても、気合の入り方がよくわかる。千葉はオフィシャルパートナーである「XFLAG」と共に、試合前だけではなく、タイムアウトなどのちょっとしたスキマ時間にも観客を飽きさせない取り組みを数多く行なっていた。試合前は、ちょっとしたお祭りのよう。

試合が終わるその瞬間まで次々とパフォーマーが現れる様子、選手の登場方法など、バスケ観戦以外の部分だけでも十分に楽しめる。パフォーマンスが終わった後、試合が始まるまでの短い時間でコートにモップをかけなくてはいけないスタッフの機敏さも目立っていた。

スポーツは、エンタメ。

それがよくわかる試合の見せ方となっていた。サッカーや野球観戦をしばしする人がBリーグをはじめて観に行ったとき、「これは(サッカーや野球が)バスケに喰われるかもしれない…」と危機感を抱くことがしばしあるという。

観戦スタイルなどが全く異なるため比較することは難しいが、確かにBリーグにはサッカーや野球を観戦する時とは異なる空気感があるとは言えるだろう。

開幕戦のホームとなった千葉ジェッツは、会場のアナウンスが非常に細かいところまでのファールの説明や、応援方法まで観客に伝えていた。初心者でも非常にわかりやすい。

サポーターが中心になってチームの応援をするサッカーなどとは違い、アナウンスが主導となって会場に声援を促す流れは、また独特の一体感がある。

3シーズン目ゆえの危機感

様々な取り組みを行っているBリーグではあるが、年を重ねるごとに、もしかしたら新鮮さが薄れてきているのかもしれない。3シーズン目となる今季、富樫選手は危機感を抱いている。

1年目のBリーグ開幕の派手さや、2年目もそうですけど、そこからちょっと3年目ということで慣れてきた部分もあるかもしれませんが、なかなか1年目以上に注目されている感じは選手としてしない

千葉ジェッツ、の一選手としてだけではなく、いちバスケ選手として日本バスケット業界全体の未来を見据えている。

「選手として、代表では良い結果を残せているので、その勢いもそのままBリーグにつなげて、もっとバスケットを盛り上げたい。そして東京オリンピックという日本男子バスケット界の最大の目標があるので、それに向けて、チームとしても個人としても、日本バスケット界としても良い方向に進んでいきたいという気持ちがあります」

やはり試合前、そして試合後も注目を集めていたのは、富樫選手と篠山選手の司令塔対決だ。それぞれがどういった経歴の選手なのかということにも着目してみた。

富樫勇樹(とがし・ゆうき)

(Getty Images)

1993年7月30日生まれ。167cmと小柄ながら、持ち前のスピードあふれるプレーを活かして日本のバスケ界の未来を背負う。

小学1年生からバスケをはじめ、新発田市立本丸中学校では監督としてチームを率いる父親のもと、3年時に全国大会で優勝。2年時と3年時にはそれぞれ15歳以下、16歳以下の日本代表に選抜された。

2011年、2014年、2015年にバスケットボール男子日本代表候補に選出され、2014年アジア競技大会では日本代表として出場し銅メダルを獲得した。

中学卒業後は渡米しモントローズ・クリスチャン高校に留学。高校卒業後は大学に進学せずbjリーグの秋田ノーザンハピネッツに入団し、プロ選手としてのキャリアを開始。1年目にはbjリーグ新人賞を受賞。bjリーグ 2013-14シーズンには最多アシストのタイトルを獲得し、ベストファイブに選出された。

2017-18シーズンは、Bリーグ史上最多の3P成功数11本(73.3%)を記録した。

篠山竜青(しのやま・りゅうせい)

(Getty Images)

1988年7月20日生まれ。小さい頃から「バスケ選手になること以外は考えていなかった」と、プロへの道を逆算して考えていたという。2006年 U-18日本代表、2009年 、2011年 とU-24日本代表を経て、2016年から日本代表に現在まで継続して選出されている。

開幕戦後、「出だしでしっかり辻が勢いをつけてくれましたし、シェーン(エドワーズ選手)やバーノン(マクリン選手)も積極的にアタックしてくれたことで、ニック(ファジーカス選手)がいなくてもこれだけ点数を伸ばせるとか、自分たちもやれるぞ、という感触をチームとして得ることができました。たかが1試合にすぎないですけど、試合の内容的には前向きになれる、良い感触を得られた開幕戦になりました」と明かしていた。

日本代表期間が長くチームと一緒に練習できている期間はそう長くないはずだが、チームメイトの名前を複数出し、それぞれの選手を引っ張るキャプテンシーを感じる発言だった。

「©B.LEAGUE」

まだ開幕戦が終わったばかりだが、東京オリンピックも控える中、今後どういった方向に日本のバスケット業界が発展していくのか、注目だ。
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