Advertisement

【ウインブルドン】世界最古の大会、土居美咲、西岡良仁、ダニエル太郎、本玉真唯に期待 本命はあの選手

【ウインブルドン】世界最古の大会、土居美咲、西岡良仁、ダニエル太郎、本玉真唯に期待 本命はあの選手
ウィンブルドン選手権に出場する土居美咲(左)とダニエル太郎(C)ロイター/Getty Images

27日からウインブルドン選手権が開幕する。

The Championships」の名でも愛される今大会は、1877年に始まった世界最古の大会だ。

予選と本戦で会場は別れ、本戦出場者だけが格式高いオールイングランド・ローンテニスクラブ(AELTC)でのプレーが叶う。今年はロシアのウクライナ侵攻により、ロシアとベラルーシの選手が出場できなくなった。この事態にATP/WTA/ITFは世界ランキングポイントを付与しないことを決定。選手によってはポイントが付かないことを理由にウインブルドンをスキップしている。今年はこの状況のなか、選手たちがどのようなモチベーションで試合に臨むのかにも注目が集まっている。

日本からのシングルス出場者は土居美咲西岡良仁ダニエル太郎、そして予選3試合を突破した本玉真唯の4名だ。本玉は昨季からツアーレベルに定着し着実に実力を上げてきている22歳。今回、ウインブルドン初出場で予選突破を果たし本戦入りを決めた。

左から土居美咲、ダニエル太郎、西岡良仁(C)Getty Images

ダブルスには全仏ミックスを制覇した柴原瑛菜をはじめ、青山修子二宮真琴加藤未唯マクラクラン勉が出場する。土居は二宮と組んでの単複出場となり、大坂なおみは残念ながら怪我のため欠場となった。

車いすテニスには世界2位の国枝慎吾上地結衣に続き、ワイルドカードで小田凱人大谷桃子が登場する。今季、全豪と全仏を制覇した国枝がウインブルドンで初の栄冠となるかと期待が高まるなか、上地は宿敵のディード・デグルート(オランダ)へのリベンジに燃えていることだろう。全仏でベスト4入りの快進撃を見せた小田と全仏ファイナリストの経験を持つ大谷、そして日本人で唯一クアードクラスのメジャー大会で活躍する菅野浩二の快進撃にも期待したいところだ。

◆小田凱人がプロ宣言、「人生を懸けたい」と見据える地平線の向こう

■男子の本命はラファエル・ナダルか

男子は前年覇者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と全豪、全仏を驚異的なプレーで優勝したラファエル・ナダル(スペイン)が大本命となるだろう。だが芝特有のボールが弾まいことからサービスゲームの優位性は他のサーフェスよりより高くなるため、ビッグサーバーやネットプレーを多く仕掛ける選手の躍動に期待がかかる。

Advertisement


その一人として前年度ファイナリストのマテオ・ベレッティーニ(イタリア)は有力候補だ。右手首の怪我から約3カ月ツアーから離脱していたが、得意の芝で前哨戦の2大会を優勝し息を吹き返している。また、テラ・ウォルトマンオープン(ATP500)で世界1位のダニール・メドベージェフを倒して優勝したフベルト・フルカチュ(ポーランド)もウインブルドン初制覇に向けて良い準備が出来ている一人だろう。そして次世代のチャンピオンと称されるカルロス・アルカラス(スペイン)が芝でどこまでのプレーを見せてくれるのか勝負所でもある。

女子は2月から35勝の連勝街道を突き進むイガ・シフィオンテク(ポーランド)がトップシードだ。

本人が得意とは言わない芝で、どこまで本来の力を安定して発揮できるのか注視したい。ワイルドカードにはウインブルドン7度の優勝を誇るセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)が選ばれた。ウィリアムズは1年ぶりに今週のイーストボーンでダブルスをプレーし、今大会でシングルス復帰を果たす。40歳のレジェンドは2015年のウインブルドンから2018年までの間にグラスコートで20連勝の記録を残しているが、今回その記録を追いかける選手が現れている。

ブラジルの26歳、ベアトリス・ハダッドマイアだ。前哨戦の2大会では5位のマリア・サッカリ(ギリシャ)や元女王のシモナ・ハレプ(ルーマニア)を撃破しツアー2勝をマーク。185cmのレフティーが放つ切れ味あるサービスは相手を追い込み、重いストロークで相手を押しきる強さがある。芝で現在13連勝(23日時点)と勢いに乗るハダッドマイアが今大会の嵐の目になりそうだ。

◆ラファエル・ナダル、レジェンド対決の決め手は驚異的な“集中力”「ノバクとの戦いは常に特別」

◆パリから始まるイガとココのライバリー シフィオンテクが2度目の優勝

◆小さな巨人・西岡良仁がつかんだ「負けないテニス」からの復調

Advertisement


著者プロフィール

久見香奈恵●元プロ・テニス・プレーヤー、日本テニス協会 広報委員

1987年京都府生まれ。10歳の時からテニスを始め、13歳でRSK全国選抜ジュニアテニス大会で全国初優勝を果たし、ワールドジュニア日本代表U14に選出される。園田学園高等学校を卒業後、2005年にプロ入り。国内外のプロツアーでITFシングルス3勝、ダブルス10勝、WTAダブルス1勝のタイトルを持つ。2015年には全日本選手権ダブルスで優勝し国内タイトルを獲得。2017年に現役を引退し、現在はテニス普及活動に尽力。22年よりアメリカ在住、国外から世界のテニス動向を届ける。