【Bリーグ】稀代のシューター金丸晃輔が新天地・三遠ネオフェニックスで求めるバスケとは…

 

【Bリーグ】稀代のシューター金丸晃輔が新天地・三遠ネオフェニックスで求めるバスケとは…
新シーズンを新天地で迎える金丸晃輔 提供:三遠ネオフェニックス

■「一からのスタート。チームの色も財産もない」

 選手も大きく入れ替わり、ヘッドコーチも変わった三遠。

開幕直前、練習はピリピリとした緊張感の中で行われている。まさに「一からのスタート。チームの色も財産もない。お互いの考えを発信しコミュニケーションを取らなければチーム作りはできない」と会話を大切にしている。金丸自身「ボールを持って何かしてください」というタイプの選手ではない。味方のスクリーンを使いポイントガードからのパスをもらってこそシューターとしての実力が発揮される。つまり、スクリーンやパスのタイミングが大事。そのタイミングを伝えて理解してもらうために「率先してコミュニケーションを取っている」ところだ。「やりたいことができるかも」と楽しみでもある。

 プライベートでは「物静かでシャイ」な性格。ベテランとしても「言葉で引っ張っていくことも大事だが苦手。これまではプレーで引っ張ってきたが自分も変わらないと」と自身に言い聞かせるように語る。ベテランの役割を意識し、「試合中に落ち込んでいる選手に声を掛けて持ち上げないと」と穏やかに責任感ある言葉を口にしていた。
 
このオンラインインタビュー取材中、チームメートの山内盛久が手を振りながら画面に入り金丸を笑わせた。飛び入りで「プライベートでも結構おしゃべりで意外だった。優しい」と金丸の印象を語っていた。チーム内でうまく関係が築かれ、良い雰囲気が広がっているのを感じさせる一瞬だった。金丸が、金丸らしさを発揮するためには、より綿密なコミュニケーションとケミストリーを構築していくことが必要不可欠だ。

新天地ではチームを牽引する役割が期待される金丸晃輔 提供: 三遠ネオフェニックス

 話を聞いていると、丁寧に語りながらも自身の納得いくプレーを求める貪欲な思いが見え隠れしていた。他チームのプレシーズンゲームでは「シューターだからポイントガードのポジションの選手が気になる」と観察。どこを見ていて、どんなパスを出すのか。最近は、横浜ビー・コルセアーズ河村勇輝が「つい見てしまう選手だ」と明かしてくれた。河村のパスには「そこから見えているのかと驚かされる」という。正直なところ「いつか一緒にプレーしてみたい」と思う選手になった。ぜひ日本代表でともに活躍するところを見たいものだ。まだまだ金丸には日本のバスケットボール界を牽引し続けてもらわなければならない。

 移籍当初、「代表では着ていたが、赤いユニホームが似合うのか心配だった。今もまだ慣れない」と感じている。ファンの目にも新鮮に映っただろうか。でもどのユニホームを身にまとっても変わらない金丸がいる。ひたすら体のケアに徹し、ネガティブな考えを持たず真摯にバスケットと向き合い続ける。ただ今シーズンは、シューターを生かすことに長けているヘッドコーチの存在とチームのために尽くそうとする姿勢、今まで以上の金丸の姿を見ることになるかもしれない。
 
リスタートを切ったチームが愛され応援されるチームになるには勝つしかない。これまでチームより自分のプレーに比重を置き考えてきたことも正直あった。自身のスタッツを気にするだけではチームは勝てない。「チームのために自分を犠牲にする必要がある、変わろうと思う。チームが良い方向にいけば自分も貢献できているはず」と決意を見せてくれた。「今シーズンは勝つことにこだわりたい」と前を向く金丸に期待が高まるばかりだ。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。


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