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【WBC】第1回大会プレーバック レジェンド・イチローと世界の王が勝ち取った初の世界一

【WBC】第1回大会プレーバック レジェンド・イチローと世界の王が勝ち取った初の世界一
キューバに打ち勝ち初の世界一となった侍ジャパン 金メダルをかけた王貞治監督とイチロー (C) Getty Images

■絶体絶命から世界一へ

大会2度目の韓国戦にも敗れた日本代表は、いよいよ窮地に追い込まれる。

「アメリカが格下のメキシコに勝てば終わり」。

もはや神に祈るしかない絶望的な状況で、思いもかけない幸運が転がり込んだ。アメリカがメキシコに敗れ、全勝の韓国以外3チームが1勝2敗に。失点率で勝る2位の日本代表が生き残ったのだ。日本戦で誤審に救われた開催国アメリカは、主力選手の調整不足が露呈し、韓国とメキシコに連敗。あえなく第2ラウンドで姿を消した。

その後、日本代表は準決勝で韓国との3度目の対決に勝利。大会序盤から波に乗れなかったイチローが復調し、決勝でもダメ押し適時打を含む2安打の活躍。絶望の淵から這い上がり、悲願の頂点を掴み取った。大会最後の打者になったのは、のちにDeNAやアストロズでプレーするキューバの至宝、ユリエスキ・グリエル。国際戦略を推し進めるMLBが、アメリカのためにアメリカで立ち上げたWBC。決勝に進んだのは、皮肉にも、メジャーリーガーがひとりもいないキューバと第2ラウンドで唯一アメリカに敗れた日本代表だった。

写真は2006年、ワールドベースボールクラシックで投げる松坂大輔(C)Getty Images

こうして、記念すべきWBC第1回大会は日本代表の優勝で幕を閉じた。全8試合で3敗を喫したものの、終わってみれば、出場国トップのチーム打率.311/本塁打10/盗塁13を記録。守れなかったアメリカ、打てなかった韓国、別グループの優勝候補ドミニカ共和国や、決勝で相対したキューバよりも、投打において秀でていた日本は世界一に相応しかったと言える。

上原浩治、松坂大輔、薮田安彦、和田毅、藤川球児、岩村明憲、西岡剛、川崎宗則、福留孝介、青木宣親。奇しくも、代表メンバーの殆んどが、その後MLBへと羽ばたいている。世界の頂を駆けあがった矜持が、彼らを新たな舞台へ導いたのかもしれない。

そして、王者として臨む第2回大会へ。授けられた”侍ジャパン”の名のもとに、再び激闘の記憶は紡がれていく…。

■第1回大会・侍ジャパン戦績

【第1次ラウンド】
日本 18-2 中国 ○
日本 14-3 台湾 ○
日本 2-3 韓国 ●

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【第2次ラウンド】
日本 3-4 アメリカ ●
日本 6-1 メキシコ ○
日本 1-2 韓国 ●

【準決勝】
日本 6-0 韓国 ○

【決勝】
日本 10-6 キューバ ○

優勝

■第1回大会表彰選手

【最優秀選手】
松坂大輔(日本)

【優秀選手】
投手:松坂大輔(日本)
投手:ヤデル・マルティ(キューバ)
投手:朴賛浩(韓国)
捕手:里崎智也(日本)
一塁手:李承燁(韓国)
二塁手:ユリエスキ・グリエル(キューバ)
三塁手:エイドリアン・ベルトレ(ドミニカ共和国)
遊撃手:デレク・ジーター(アメリカ)
外野手:イチロー(日本)
外野手:李鍾範(韓国)
外野手:ケン・グリフィーJr.(アメリカ)
指名打者:ヨアンディ・ガロンボ(キューバ)

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文●SPREAD編集部