【WBC】イチローvs.林昌勇、マウンドに国旗立て…語り草となった韓国代表との“宿命の対決”を振り返る

 

2009年WBC決勝で勝ち越し打を放ったイチロー(
2009年WBC決勝で勝ち越し打を放ったイチロー(C)Getty Images

3月8日に開幕する「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(WBC/ワールド・ベースボール・クラシック)の記者会見が26日、都内で行われ、野球日本代表「侍ジャパン」の最終登録メンバー30人が発表された。メンバーの平均年齢は過去最年少の27歳。栗山英樹監督のもと、フレッシュな面々で3度目の世界一を目指す。

大会は3月9日からの「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」で幕を開けるが、2日目には韓国代表との一戦も予定されている。過去の国際試合でも熱戦が繰り広げられてきた好カードだが、WBCに限定すると戦績は8戦4勝4敗の五分。しかし、この数字以上に記憶に刻まれる“ドラマ”が日韓対決にはつきもの。ここでは、これまでのWBCでの直接対決を振り返っていく。

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■波紋を呼んだ韓国のパフォーマンス

WBCでの日韓戦は2006年(第1回大会)に3試合、2009年(第2回大会)には決勝を含む5試合が行われたが、その後は機会がなく、今大会で実に14年ぶりとなる“宿命の対決”が実現する。

2006年(第1回大会)

2006年WBCでの日韓戦スコア

初のWBC開催となった2006年は、3度の対決で日本の戦績は1勝2敗。第1ラウンドA組首位の座をかけた3月5日の試合は、終盤8回表に李承燁(イ・スンヨプ)の本塁打でリードを奪った韓国が逆転勝利。抑えで起用された韓国人メジャーリーガーのパイオニア・朴賛浩(パク・チャンホ)がイチローを遊飛に打ち取ってゲームセットとなった瞬間を記憶しているファンも多いはず。

渡米後の第2ラウンド、3月15日の一戦も行き詰まる投手戦となったが、8回表に2点を先取した韓国がそのまま2-1で勝利。先発した朴賛浩を筆頭に、NPBでもプレーした具臺晟(ク・デソン)や呉昇桓(オ・スンファン)らが日本打線を封じ込めたが、試合後には“事件”も起きる。日韓戦勝利に興奮した徐在応(ソ・ジェウン)が、興奮のあまり太極旗(韓国国旗)をマウンドに突き立てるパフォーマンス。この“国旗立て”は多くの波紋を呼び、試合後にはイチローも「野球人生で最も屈辱的な日」とコメントを残した。

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この敗戦で決勝ラウンド進出は絶望的と見られた日本だが、アメリカがメキシコに敗れる波乱にも救われ、3月18日の準決勝で三度韓国と対戦。大一番を任された日本の先発・上原浩治が7回3安打無失点の快投で相手打線を寄せ付けず、打線も福留孝介の劇的代打アーチなどで6点を奪う。終わってみれば日本は6-0の完勝で韓国へのリベンジを果たし、勢いそのままキューバとの決勝も制して、初代WBC王者に輝いた。