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【NBA】4人目の日本人プレーヤーは岡田大河なのか… グローバルキャンプで見た18歳の矜持「僕はプロ」

 

【NBA】4人目の日本人プレーヤーは岡田大河なのか… グローバルキャンプで見た18歳の矜持「僕はプロ」
練習後の岡田大河(左)と父・卓也さん 撮影:SPREAD編集部

ファンダーを覗いていると、並み居るチームメートに囲まれ、時として彼の姿は見えない。

それでもベンチにいれば監督に呼ばれ、コートに入った際の指示を受け、ボールを持ってはキラー・パスを決め、チャンスを見れば見事シュートを決めて見せる、それが生で見た岡田大河だった。

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■世界27カ国から高校生世代男子トップ選手40名が集結

低いドリブルで中央を突破する岡田大河 撮影:SPREAD編集部

全米プロ・バスケットボール協会(NBA)と国際バスケットボール連盟FIBA)は17日から19日まで米ユタ州ソルトレイクシティで開催されている「NBAオールスター2023」において、第7回「バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・グローバルキャンプBWBグローバルキャンプ)」を実施中。本キャンプには、現在スペインでプレーする岡田が日本人として、ただひとり招へいされている。

BWBはNBAとFIBAによるグローバルなバスケットボール育成およびコミュニティ支援プログラムで、2001年以来、134の国と地域から3,900人以上が参加。元キャンパーのうち105人がNBAまたはWNBAに進出している。NBAとFIBAは、6大陸31カ国43都市で66回のBWBキャンプを実施している。

今回のキャンプには、世界27カ国から高校生世代男子トップ40名の選手を招待。招待されたトップ選手たちは、NBAバスケットボール・オペレーションズ・スタッフとNBAオールスター2023に参加する選手による指導のもと、身体測定や運動効率テスト、スキル開発ステーション、シューティングとスキルのコンペティション、ライフスキルセミナー、5対5のゲームなど、様々なプログラムに参加する。

NBAユタ・ジャズの練習場ザイオン・バンク・バスケットボール・キャンパス 撮影:SPREAD編集部

現地時間17日(日本時間18日)、NBAユタ・ジャズの練習拠点ザイオン・バンク・バスケットボール・キャンパスを訪れ、その練習を目にする機会を得た。

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この日はすでに5対5の試合形式での練習中、背番号を教えられなければ2メーター級のチームメートに囲まれ、その姿はなかなか見えない。

岡田大河は静岡県出身の18歳。173センチのポイントガード。幼少期からバスケットを始め、中学生で出場した「都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会」(ジュニアオールスター)で静岡県選抜を全国ベスト8に導く。2019年9月に15歳でスペインに渡り、「Zentro Basket Madrid」のカンテラ(下部組織)でプレー。21年10月にはスペイン・プロリーグ(EBA)で、すでに日本最年少プロデビューを果たしている。22年8月にオーストラリアで開催された「第12回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・アジア2022」では「男子オールスター」に選出。すでに世界を舞台に戦いつつ、今回のキャンプにも招待された形だ。

チームメートに囲まれるとアンダーサイズがわかる 撮影:SPREAD編集部

■「このレベルならスペインのほうが当たりが強い」と自信

練習後、本人に話を聞いた。

今回のキャンプについて率直な感想を訊ねると「僕はプロなんで…」というひと言が、気負うわけでもなく、去勢を張るわけでもなく、実に淡々とすらりと口をついて出たのは印象的だった。確かに世界中から有望選手が招待されているとは言え、岡田はレベルの高いスペイン・リーグで活躍する現役選手だ。

もちろん、スペイン語は堪能だが、英語にはそれほど自信があるわけではない。しかし世界中から選手が集められているので「チームに2、3人は(アメリカ以外出身の選手が)いるので英語が苦手な子も多いですし、英語のコミュニケーションには問題ないです」と司令塔として必要な意思疎通にまったく差し支えないと感触を得たようだ。

「まだ初日で、まったくパスを出さない子も多いので、少し会話してパスも出してもらうように。その後はパスも出してくれるようになりましたし。自分はゲームを組み立てる立場なので、今日はものすごく(自身の)パスもよかったですし、明日のドラフトでは呼ばれると思います」と自信をしっかりと噛み締めた。

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初日ということで、特にフォーメーションも組まれていない状況下、単独でボールを持ち、シュートに持ち込むものの、結局フィニッシュを決めきれないプレーヤーが確かに目立った。フィールドゴール成功率で考えると、30%を越えるようなプレーヤーはいないように見えた。そんな中、岡田自身が語るようにボールを持ち、的確にパスを出し、時として中に切り込み、相手のディフェンスを崩し、アンダーサイズにも関わらず、ここぞというシュートを決めて見せる様は、本人が「(今日の)このレベルなら十分通用する」と感じるのも無理ならぬことだろう。

「このレベルなら、スペインのほうがもっと当たりは強く激しい」と漏らした。

どのレベルを目指すのかと尋ねれば、「現在日本(の学校制度)では高校3年生なので、大学を卒業する頃には、世界のトップ・リーグでプレーしたいです」ともちろんNBAデビューを狙う。

この日、本人にも知らせずにキャンプを訪れた父・卓也さんも、さいたまブロンコスでプレー、現在も米国下部リーグ・チームを経営する現役プレーヤーでもある。成長する息子の姿に「ちょっと背が伸びたみたいで…」と頬を緩ませる。バスケ一家だけに、レールを敷いたのかと思いきや「もちろん世界を見たほうがいいと思って、いろんなリーグを見せはしましたが、本人が自分でスペインを選んだんです」との談。15歳にして、その決断を下し、世界に飛び出した岡田は、田臥勇太、渡邊雄太、八村塁に続く4人目のNBAプレーヤーとなるのか。

同キャンプ最終日には、シングル・エリミネーション・トーナメントが催され、決勝戦終了後に、MVPなどの各賞が授与されるという。この後、どんな活躍を見せてくれるのか、ひとりの日本人として、胸を踊らせるばかりだ。

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著者プロフィール

たまさぶろ●エッセイスト、BAR評論家、スポーツ・プロデューサー

『週刊宝石』『FMステーション』などにて編集者を務めた後、渡米。ニューヨーク大学などで創作、ジャーナリズムを学び、この頃からフリーランスとして活動。Berlitz Translation Services Inc.、CNN Inc.本社勤務などを経て帰国。

MSNスポーツと『Number』の協業サイト運営、MLB日本語公式サイトをマネジメントするなど、スポーツ・プロデューサーとしても活躍。

推定市場価格1000万円超のコレクションを有する雑誌創刊号マニアでもある。

リトルリーグ時代に神宮球場を行進して以来、チームの勝率が若松勉の打率よりも低い頃からの東京ヤクルトスワローズ・ファン。MLBはその流れで、クイーンズ区住民だったこともあり、ニューヨーク・メッツ推し。