■マスクトディーヴァ
【中間調整】昨秋のローズSで重賞初勝利。高速馬場の恩恵があったにせよ、JRAレコードを更新するオマケつきだった。続く秋華賞では三冠を達成したリバティアイランド以上となるメンバー最速の上がり3F33秒5を繰り出し、1馬身差まで迫る2着。ローズSで1馬身半差2着に下したブレイディヴェーグは後にエリザベス女王杯を制しており、本馬もいつGIを勝ってもいい実力の持ち主と言える。
◆【東京新聞杯2024予想/追い切り診断】マスクトディーヴァを上回る「S」の最高評価 「初戦から文句なしの仕上げ」
4歳シーズンはマイル路線を歩むこととなり、東京新聞杯をステップにヴィクトリアマイルへ進むのが上半期の青写真。1月11日に栗東へ戻っており、14日に初時計として坂路15-15を消化している。1週前はこれまでのルーティン通りCWで終い重点の調整を行った。4角で先行2頭との差を詰めるが、そこから一気には並べずじっくり我慢させる格好。馬任せの自然な加速から、ゴールでぴったり併入というフィニッシュだった。
【最終追い切り】レース当週はこれもいつも通りの坂路単走。序盤から集中し、ブレの少ないシャープなフォームで登坂。ラストは仕掛けに対しグンと体を沈めて加速した。ここへ来ていかにも体幹が強化されたような雰囲気で、坂路でそこまで走らないこの馬なりに4F53秒5(馬なり)は自己ベスト更新の数字。
【見解】先を見据え、自身初の関東圏への輸送を控えていることもあり、本数や負荷に若干の物足りなさはある。それでも最終追いでしっかり自己ベストを更新し、動きそのものも無駄のないシャープなフォームを保っていたのは好感が持てる。3カ月半ぶりの復帰戦とすれば、上々の仕上がりだ。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。