第68回大阪杯(31日/GI、阪神芝2000m)には、昨年のダービー馬タスティエーラ、昨年の皐月賞馬ソールオリエンス、重賞2勝のローシャムパーク、京都記念勝ち馬プラダリア、京都記念2着ベラジオオペラらが出走予定。
ここでは「大阪杯2024」の出走予定馬、過去7年データ、過去傾向、枠順、追い切り、血統、穴馬など、予想に役立つ「馬券攻略ガイド」を随時更新する。
目次
■「大阪杯2024」枠順・予想オッズ
【大阪杯2024予想/枠順傾向】「ローシャムパーク本命視は厳しいか」 真ん中枠ほど優勢で極端な枠は割引き
【大阪杯2024予想/大口投票】「ローシャムパークの単勝に150万円か 単勝100万円の伏兵も……」
【大阪杯2024予想/前日オッズ】上位2頭揃って好走の可能性は低い 「馬券内率45.5%」叩き良化の関西馬に“妙味”
→→→右へスクロール→→→
枠番 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 予想オッズ | 予想人気 | 厩舎 | 1 | 1 | ミッキーゴージャス | 牝4 | 56.0 | M.デムーロ | 11.3 | 6 | 栗東・安田翔伍 | 1 | 2 | ローシャムパーク | 牡5 | 58.0 | 戸崎圭太 | 6.0 | 3 | 美浦・田中博康 | 2 | 3 | タスティエーラ | 牡4 | 58.0 | 松山弘平 | 4.5 | 1 | 美浦・堀宣行 | 2 | 4 | ハヤヤッコ | 牡8 | 58.0 | 幸英明 | 83.9 | 15 | 美浦・国枝栄 | 3 | 5 | スタニングローズ | 牝5 | 56.0 | 西村淳也 | 27.8 | 10 | 栗東・高野友和 | 3 | 6 | ジオグリフ | 牡5 | 58.0 | 北村宏司 | 15.6 | 7 | 美浦・木村哲也 | 4 | 7 | ハーパー | 牝4 | 56.0 | 岩田望来 | 22.7 | 9 | 栗東・友道康夫 | 4 | 8 | プラダリア | 牡5 | 58.0 | 池添謙一 | 9.3 | 5 | 栗東・池添学 | 5 | 9 | ステラヴェローチェ | 牡6 | 58.0 | 酒井学 | 32.3 | 12 | 栗東・須貝尚介 | 5 | 10 | ソールオリエンス | 牡4 | 58.0 | 横山武史 | 5.8 | 2 | 美浦・手塚貴久 | 6 | 11 | ベラジオオペラ | 牡4 | 58.0 | 横山和生 | 7.5 | 4 | 栗東・上村洋行 | 6 | 12 | キラーアビリティ | 牡5 | 58.0 | 北村友一 | 28.8 | 11 | 栗東・斉藤崇史 | 7 | 13 | ルージュエヴァイユ | 牝5 | 56.0 | 菅原明良 | 34.5 | 13 | 美浦・黒岩陽一 | 7 | 14 | エピファニー | 牡5 | 58.0 | 杉原誠人 | 20.6 | 8 | 美浦・宮田敬介 | 8 | 15 | リカンカブール | 牡5 | 58.0 | 津村明秀 | 43.3 | 14 | 栗東・田中克典 | 8 | 16 | カテドラル | 牡8 | 58.0 | 藤岡康太 | 138.8 | 16 | 栗東・池添学 |
→→→右へスクロール→→→
※想定騎手・想定オッズは、SPREAD編集部が戦績等により掲載しています。
※出馬表・結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発表のものと照合し確認してください。
◆【大阪杯2024予想】「タスティエーラに譲らない」 重賞初V時を上回る稽古でGIタイトルに虎視眈々
■「大阪杯2024」追い切り
追い切り評価:ベラジオオペラ
【最終追い切り】レース当週の追い切りは馬場状況を考慮し、水曜から木曜に変更。今回も上村師が騎乗しCWで併せ馬を行った。負荷に関しては1週前追いの時点で十分過ぎるほどに掛かっており、ここでは終い重点でバランスの調整などに注力した内容。早めに相手へ取り付き、併走状態で息を入れさせることを意識させた。ラストはまったくの自然体で、楽にアタマほど抜け出して先着を果たしている。
◆【大阪杯2024予想/追い切り診断】ベラジオオペラ「最大目標に向けて渾身の調整」 その評価は?
追い切り評価:ソールオリエンス
【最終追い切り】レース当週は嶋田騎手が騎乗し、ウッドで3頭併せ。比較的速いラップを刻んで進んだが、ブレのないフォームで追走し、ラストは見せムチに反応し迫力ある伸び脚から1頭に先着、1頭と併入とした。
◆【大阪杯2024予想/追い切り診断】ソールオリエンス「迷いの表れが垣間見える」 その評価は?
追い切り評価:ジオグリフ
【最終追い切り】レース当週の追い切りも北村宏騎手が跨り、CWで併せ馬。前後に馬を置く隊列で入り、直線では挟まれる形の“木村厩舎流”3頭併せを行った。意欲満々の雰囲気で進み、直線に入っても引っ張りきりの手応え。鞍上は仕掛けを敢えて遅らせ、満を持してゴーサインを出すとこれにスッと反応し1頭に先着、1頭と併入とした。
◆【大阪杯2024予想/追い切り診断】ジオグリフ「復活へのバックアップは万全、文句なしの攻め」 その評価は?
追い切り評価:タスティエーラ
【最終追い切り】輸送を控えたレース当週は終い重点のウッド単走。精神面の鍛錬に注力したような内容で、リズムを保って走らせることを意識した内容を消化した。直線で若干だけフワッとしたものの、許容範囲。ラストはまったくの馬なりながら四肢を大きく使ってしなやかに伸びることができていた。
◆【大阪杯2024予想/追い切り診断】タスティエーラ「持てる力を遺憾なく発揮できる状態」」 その評価は?
■「大阪杯2024」過去10年データ
前走ローテ
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024予想/前走ローテ】タスティエーラは“近年不振”データに該当 単回収値304を含む充実5歳馬が狙い目か
血統傾向
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024/血統予想】想定10人気以下に単回収値「223」 父と母父に宿る”阪神の鬼”に激走サイン発動か
過去5年、阪神芝2000mの最多31勝は【31.28.29.148】のディープインパクト。圧倒的な母数があったとはいえ、次位にダブルスコアに近い差をつけている。以下、【16.17.13.88】のキズナ、【16.15.17.140】のハーツクライ、【16.13.16.93】のルーラーシップが同じ勝ち星で並んでおり、【15.15.7.51】のキングカメハメハと続く。
人気・配当傾向
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024予想/高配当メソッド】3連単53万7590円など波乱含み 今年は“4歳凡走パターン”で伏兵の出番
過去7年において、1番人気は【2.1.2.2】で安定しているものの、2019年から5年続けて連敗中。2021年は4番人気のレイパパレが勝利し単勝1220円、22年は8番人気ポタジェが勝利して5880円の払い戻しとなっており、平均配当は1540円をマークする。伏兵を狙うなら「単勝」勝負もあり。
枠順データ・傾向
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024予想/枠順】「ローシャムパーク本命視は厳しいか」 真ん中枠ほど優勢で極端な枠は割引き
GI昇格後の2017年以降において、最も安定した成績を誇るのは4枠で【2.1.1.9】勝率15.4%、複勝率30.8%、回収値は単勝470、複勝120をマークする。2番人気以内が【1.1.1.0】で人気サイドが力を出し切れる枠となっている。また2022年には8番人気のポタジェが勝利し、23年も同人気のマテンロウレオが4着と伏兵でも先行馬なら競馬がしやすい傾向だ。
■「大阪杯2024」軸馬/穴馬予想コラム
危険な人気馬「タスティエーラ」
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024/危険な人気馬】“消し”はダービー馬か皐月賞馬か……「この負のスパイラルは不可避」
大阪杯が2017年にGIへ昇格して以降、過去7年でダービー馬が大阪杯へ出走したのは3頭で、延べ8回出走しているが、その成績は【0.0.2.7】と、いまだ勝ち馬は輩出していない。また、前走・有馬記念組は【1.1.0.5】と2頭が連に絡んでいるが、2017年1着キタサンブラック、19年2着キセキと、いずれも5歳時に出走した馬が好走している。過去7年の勝ち馬は、すべて4コーナー5番手以内に位置していた。この7頭中5頭は、前走でも4コーナーで4番手以内を通過。タスティエーラは、近2走は中団から運ぶ傾向に変わりつつあり、今回も前に行けないようだと苦しい展開となりそうだ。
データ攻略
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024予想/データ攻略】想定10人気以下も“無印厳禁”ド級穴馬 「ドバイ組と遜色ない」潜在能力で復活Vへ
3歳時にオークス2着、秋華賞勝利を牝馬クラシック戦線を牽引したスタニングローズ。古馬になってさらなる飛躍が期待されたものの、故障の影響で今回が前年ヴィクトリアマイル以来の実戦となる。ローテーションへの不安と対牡馬相手の不安。拭い切るのは簡単ではないかもしれないが、以下データをご覧いただきたい。
穴ライズ「GIでの大物喰いを警戒」
馬主ゆかりの良血馬。関係者の期待の高さの表れか、デビューしてからここまで、大事に使われてきた。開花の兆しが見えたのは、昨年9月に行われた2勝クラスの夕月特別。中団追走から直線で鋭く脚を伸ばしこのレースを制すると、次走の修学院S、そして…
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024予想/穴ライズ】「まだ世間にバレていない強さあり、GIでの大物喰いを警戒」
穴ライズ「低レベルが囁かれる4歳世代もこの馬は別、狙って損なし」
今回はバビットの出走が叶わず、メンバー中に確たる逃げ馬は不在。操舵性が高く、近2走が4角3番手のこの馬が、色気を持って積極策に出る可能性がありそうだ。大崩れのない安定感も魅力で…
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024予想/穴ライズ】「低レベルが囁かれる4歳世代もこの馬は別、狙って損なし」
■「大阪杯2024」全頭診断
◆詳細記事はコチラ⇒【大阪杯2024/全頭診断】強い5歳世代一角に「2.3.0.2」 混戦断つ“馬券内率71%”データ
・ソールオリエンス
クラシック戦線での実績から1番人気に支持された前走中山記念。結果は4着も、前残り決着を4角12番手から上がり3F最速なら及第点をつけられそうだ。この中間は調教パターンを変更しており、関西遠征が控えているにもかかわらず負荷の強いウッド3頭併せを敢行。5F65秒7は中山記念時の68秒1との比較で大幅に速いラップだ。芝2000mは【2.0.0.0】と負け知らず。4歳世代の評価が揺らいでいる今こそ狙うタイミングなのかもしれない。
■「大阪杯2024」レース概要
開催日:
2024年3月31日(日)15時40分
2回阪神4日目 11R
第68回 大阪杯(GI)
施行条件:
芝右2000m
4歳上オープン/国際/指定/定量
賞金:
1着 2億円
2着 8000万円
3着 5000万円
4着 3000万円
5着 2000万円
■「大阪杯2024」阪神芝2000mコース解説

阪神芝2000mのコース図
スタンド前スタートから内回りコースを1周する。スタート直後にゴール前の坂を上り切って通過し、ほどなく小回りの1コーナーと2コーナーを迎えるため、前半のペースは速くなりにくい。バックストレッチはほぼ平坦。3コーナー付近から緩やかな下り勾配で、じわじわペースUPしていく。ゴール前の直線は359.1メートル(Bコース使用時)と比較的短く、直線では2度目の坂を越えるため、切れ味に頼ったタイプでは分が悪い。早めのペースアップに対応できる機動力に加え、渋太い脚を使える馬が本領を発揮する舞台だ。
■「大阪杯2024」過去プレーバック
2023年 ジャックドール
着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム・着差 | 上がり | 人気 | 1着 | 5 | 9 | ジャックドール | 牡5 | 58.0 | 武豊 | 1:57.4 | 35.3 | 2 | 2着 | 6 | 11 | スターズオンアース | 牝4 | 56.0 | C.ルメール | ハナ | 34.4 | 1 | 3着 | 7 | 13 | ダノンザキッド | 牡5 | 58.0 | 横山和生 | クビ | 35.0 | 10 |
→→→右へスクロール→→→
勝ったのは54歳0か月19日の勝利で“史上最年長JRA・GⅠ制覇”を達成した武騎手騎乗のジャックドール。好スタートからハナに立って、1000メートル通過58秒9のラップ。直線では差を詰めようとするマテンロウレオとダノンザキッドを振り切り、最後にスターズオンアースが猛然と追い込んできたものの、これもハナ差だけ封じ込んで先頭ゴール。馬自身にとっては初のビッグタイトルだった。
2022年 ポタジェ
着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム・着差 | 上がり | 人気 | 1着 | 4 | 8 | ポタジェ | 牡5 | 57.0 | 吉田隼人 | 1:58.4 | 35.3 | 8 | 2着 | 7 | 14 | レイパパレ | 牝5 | 55.0 | 川田将雅 | クビ | 35.6 | 3 | 3着 | 5 | 9 | アリーヴォ | 牡4 | 57.0 | 武豊 | ハナ | 35.0 | 7 |
→→→右へスクロール→→→
年度代表馬エフフォーリアが1番人気で9着に敗れる中、勝ったのは8番人気・単勝オッズ58.7倍の伏兵、ポタジェ。1000メートル通過58秒8のペースを先行勢を見る5番手につけて直線へ。逃げ粘るジャックドールを交わしてレイパパレが先頭に立つと、ポタジェも懸命に食い下がり、ゴール前は死力を尽くしての追い比べ。この争いからクビ差だけ抜け出し、1着でゴールを駆け抜けた。GIの大舞台で初の重賞制覇を果たしたのであった。
2021年 レイパパレ
着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム・着差 | 上がり | 人気 | 1着 | 6 | 8 | レイパパレ | 牝4 | 55.0 | 川田将雅 | 2:01.6 | 36.8 | 4 | 2着 | 1 | 1 | モズベッロ | 牡5 | 57.0 | 池添謙一 | 4 | 36.8 | 6 | 3着 | 5 | 7 | コントレイル | 牡4 | 57.0 | 福永祐一 | 3/4 | 37.4 | 1 |
→→→右へスクロール→→→
クラシック三冠馬コントレイル、短距離GⅠ・3連勝中のグランアレグリアが人気を集める中、勝ったのはGⅠ初挑戦の4歳牝馬、レイパパレ。阪神の芝は“重”のコンディションだったが、先頭に立って淡々とラップを刻み、1000メートル通過は59秒8。直線では少しでも状態のいいコースを選ぼうと馬場の真ん中へ持ち出され、そこからはゴールまで一直線。結局最後は、猛然と追い込んだモズベッロに4馬身差をつける完勝。新馬戦からの連勝を“6”へと伸ばすとともにGⅠ初挑戦初制覇の快挙だった。
監修:山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長