今週は阪神競馬場で大阪杯(芝2000m)が行われる。GI昇格後の7年中6年で6番人気以下が馬券内と、波乱傾向を示すレース。確たる中心馬不在の今年は波乱の方向に振り切る選択肢もありそうだ。
ここでは、過去10年からGI昇格後の直近7年を参照。スタニングローズとプラダリアにフォーカスしたデータを取り上げる。
◆【大阪杯2024予想/データ攻略】人気一角に「0.0.0.10」 エフフォーリアも馬券外のローテで“消し”の5歳馬は
目次
■スタニングローズの追い風となる「0.3.0.0」
3歳時にオークス2着、秋華賞勝利を牝馬クラシック戦線を牽引したスタニングローズ。古馬になってさらなる飛躍が期待されたものの、故障の影響で今回が前年ヴィクトリアマイル以来の実戦となる。ローテーションへの不安と対牡馬相手の不安。拭い切るのは簡単ではないかもしれないが、以下データをご覧いただきたい。
・GI連対歴がある母父クロフネ該当馬【0.3.0.0】
この条件での馬券内率は100%。7番人気ステファノスや4番人気クロノジェネシスといった人気の盲点にあった馬も連対しており、大阪杯×GI連対歴がある母父クロフネは“鉄板級”と言えよう。
スタニングローズについて補足すると、前述の秋華賞は阪神芝2000mでの施行。特殊な年で発揮したパフォーマンスはこの舞台で活きてくるはずだ。この中間は坂路でラスト1F11秒9と、秋華賞時と遜色ない時計をマーク。スターズオンアース、ナミュールといったドバイ組を下した舞台での“復活V”は頭に入れておきたいところだ。
■プラダリアに【0.1.0.8】の“0%”データ
その一方で、前走京都記念勝利から臨むプラダリアは不安要素ありと言わざるを得ない。3歳時に出走した日本ダービーはドウデュース、イクイノックス、アスクビクターモア、ダノンベルーガとのちのGI好走馬相手に5着と善戦。世代レベルと今年のメンバーを考えればある程度の人気が予想されるが、以下データが好走へのハードルを引き上げる。
・前走芝2200mを勝利 【0.1.0.8】
馬券内は芝2000mのGI・秋華賞勝ち馬クロノジェネシスに限定。サトノクラウンやブラストワンピース、ヴェルトライゼンデと当日3番人気に推されていた馬がことごとく凡走を喫した“勝率ゼロ”データだ。
この馬の好走パターンを振り返ると、芝2400mの青葉賞、京都大賞典、そして芝2200mの京都記念と最低でも2200mの距離が必須。当距離の新潟記念はローカルGIIIのメンバー相手に馬券外に敗れていた。本レースと好相性のディープインパクト産駒とはいえ、ここは距離不足。買い材料は乏しいと言わざるを得ない。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。