第72回神戸新聞杯(22日/GII、中京芝2200m)には、ダービーから巻き返しを期す京都新聞杯覇者ジューンテイク、春は不完全燃焼だった毎日杯勝ちのメイショウタバル、前走2勝クラスを4馬身差で快勝したメリオーレムなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ビザンチンドリーム」を取り上げる。
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目次
■ビザンチンドリーム
【中間調整】祖母にフサイチエアデール(重賞4勝、桜花賞2着など)。昨年12月の新馬戦(阪神芝2000m)を快勝し、そこから中8週で臨んだきさらぎ賞ではまともに出遅れ、向こう正面では大きく斜行するなど粗削りな走りながら、最後は猛然と追い上げ3頭横並びの接戦を制し重賞初制覇を成し遂げた。性能の高さは世代上位と見ていいだろう。皐月賞は出遅れと4角の不利があり13着、日本ダービーは内目の4番ゲートから揉まれる格好でまったく競馬にならず17着と、春のクラシック2冠では結果が出せず、若さを課題として残した。
夏は順調に過ごし、神戸新聞杯からの始動を念頭に8月24日に栗東へ帰厩。29日から時計を出し始めている。2週前のCW追いでは活気十分ではあったがかなり掛かってしまい、終い1F12秒6(馬なり)と失速。1週前追いも行きたがってしまったが、2週前と比較すれば若干マシで脚はそれなりに残っており1F11秒7(馬なり)でまとめている。
【最終追い切り】レース当週は今回初コンビを組む幸騎手が跨り、坂路で2勝クラスと併せ馬。精神面と体幹がまだしっかりしていないのか口向きの悪さがあり、終始モタれるような併走だった。最後は手応えで見劣り、切れ負けしてクビほどの遅れ入線に終わっている。
【見解】もとから坂路では動けないタイプではあったが、全盛期を過ぎた8歳馬に見劣ってしまったのはどうか。体幹がまだしっかりしていないあたり、夏の休養で案外成長をしなかったのかも。精神面も一定の成長は見られるがまだこれからといった雰囲気で、全体的に春に感じさせた粗っぽさ、若さを残している。ここでは実績上位の存在だが、攻め気配からは推しづらい1頭だ。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。