ワールドシリーズ(WS)第5戦が30日(日本時間31日)、ヤンキースタジアムで行われ、ヤンキースは6-7でドジャースに敗れ、2009年以来となる世界一の座を逃した。試合はアーロン・ジャッジ外野手が先制2ランを放ち、エースのゲリット・コール投手が好投を続けるなどヤンキースペースで進んだが、ミスが重なり暗転した。
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■主砲の先制2ランも実らず
ヤンキースは初回、主砲ジャッジの2ランで先制。さらにジャズ・チザムJr.内野手にもソロアーチが飛び出し、得意の一発攻勢で勢いに乗った。その後もジャンカルロ・スタントン外野手のソロ弾などで3回までに5点のリードを奪った。
そして、マウンドにはエースのコール。4回までドジャース打線を無安打に封じる快投を見せ、隙を与えなかった。
完全なヤンキースペースで進み、沸くスタジアム。しかし、5回に落とし穴が待っていた。トミー・エドマン内野手の中飛をジャッジがまさかの落球。さらにウイル・スミス捕手の遊ゴロをさばいたアンソニー・ボルピー内野手が三塁へ悪送球。すると、今度はムーキー・ベッツ外野手が打った一塁前ゴロに対して、コールがベースカバーを怠るという失態も発生した(記録は一塁内野安打)。
結局、この回は失策が絡んで5失点。試合を振り出し戻され、せっかくつかんだ流れを自ら手放してしまった。6回にスタントンの中犠飛で勝ち越し、再びペースをつかんだかに見えたが、8回に2犠飛で逆転を許し、そのままゲームセット。第6戦を行うことは叶わなかった。
■「本塁打だけでは勝てない」
拙守が響いて世界一を逃したヤンキースに対し、やはり地元メディアは辛辣。『ニューヨーク・ポスト』のジョエル・シャーマン記者は「少なくとも第1戦と今日の第5戦は試合をコントロールしていた。しかし、2つとも落とした。この2試合はチームの歴史の中でも最も許し難く、最も痛ましい敗戦だ」と記し、憤った。
同記者は「結局のところ、本塁打だけで優れた相手を超えることはできない」と指摘。「シーズンを通して苦しめられた基本的なミスやプレーの精度の問題を最後まで解決することができなかった」と主張し、ジャッジやフアン・ソト外野手らの強打に頼りがちな野球が敗因と示唆した。
また、同記者は「ジャッジの落球から試合の流れが変わった」とした上で、「彼の調子次第でチームの運命が左右される」と嘆いた。ドジャースは大谷翔平投手が不調を囲っていたが、シリーズMVPに輝いたフレディ・フリーマン内野手のようにカバーできる選手がいる。しかし、ヤンキースはプレー面でも精神面でもジャッジが一身に背負っている状態。チームの総合力が勝敗を分ける差となったようだ。
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