【MLB】“奪三振と四球連発”にドジャースは耐えられるか 昨季CY賞スネルの魅力と最大の懸念点

 

H.Ariga/SPREAD編集部

【MLB】“奪三振と四球連発”にドジャースは耐えられるか 昨季CY賞スネルの魅力と最大の懸念点
ブレイク・スネル(C)ロイター

今季ワールドシリーズを制したドジャースは26日(日本時間27日)、昨季サイ・ヤング賞のブレイク・スネル投手と契約合意。5年総額で1億8200万ドル(約277億円)とも報じられており、来季は大谷翔平投手や山本由伸投手らと豪華先発ローテーションを組むとされている。

一方で、スネル獲得には各球団が二の足を踏んだ過去もある。昨季オフには2年総額6200万ドル(約95億円)でジャイアンツに加入。今回オプトアウト権を行使し、再び市場に打って出るかたちで、ようやく長期契約を掴み取った。スネルが持つ魅力と最大の懸念点とは……。

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■支配的な投球は健在

12月に32歳を迎えるスネルは、メジャー9シーズンで通算76勝58敗、防御率3.19。昨季は32先発で14勝を挙げ、2017年以来のサイ・ヤング賞を獲得したが、規定投球回到達と二桁勝利もようやく2度目と安定感に欠けるキャリアだった。

今季は3月中旬までジャイアンツとの契約が遅れ、前半戦は調整不足や故障も相まって8先発で0勝3敗。後半戦でようやく本来の力を発揮し、12先発で5勝負けなし。ローテーションの中心として活躍した。

最大の魅力は奪三振能力で、昨季はナ・リーグ2位の234奪三振をマーク。MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、今季の三振割合「34.7%」は400打席以上対戦した投手の中で、メジャー全体2位にランクイン。平均95.9マイル(約154.3キロ)のフォーシームは威力抜群で、被打率.111の決め球カーブとキレのあるスライダーは左打者から被弾なし。20先発に留まったものの、相手を圧倒できるパフォーマンスは健在だ。

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■稼働率よりもパフォーマンス重視か

一方で、最大の懸念とされるのが制球力。昨季の99四球は全投手ワーストで、今季の四球割合「10.5%」も、メジャー下位19%と大きく平均を下回る。窮地では支配的な投球を見せるものの、走者を出すのが前提で不安定な印象は拭えない。加えて、肘や股関節などの故障歴もあり、年間を通してローテーションを守れるかは未知数。各球団のみならず、ファンからも長期契約は危険と見られていた。

しかし、ドジャースの来季先発ローテーション候補は大谷、山本、タイラー・グラスノー、ダスティン・メイ、トニー・ゴンソリン、そしてFAのクレイトン・カーショーと故障明けの投手たちで構成されている。佐々木朗希を獲得する可能性もあり、スネルのフル稼働は計算していないとも言える。豊富な選手層と高いパフォーマンスで乗り切る算段と見えるが、果たしてどうなるか。

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