4年ぶり8回目の世界一に輝いた、ナ・リーグ西地区の名門ドジャース。今季とりわけ注目を浴びたのが、大谷翔平投手が加わったメジャー屈指の上位打線だ。ムーキー・ベッツ内野手とフレディ・フリーマン内野手との「MVPトリオ」は、負傷離脱がありながらもチームをけん引。他球団の脅威であり続けた。
勝負強い打撃は周知の事実だが、「強打者3人」と括るにはタイプが違い過ぎる。ここでは、MLB公式のデータページ『Baseball Savant』を参考に改めて三者の特徴を整理してみたい。
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■力強さで優る大谷翔平
Shohei Ohtani – 420 FT
Mookie Betts – 400 FT
Freddie Freeman – 437 FTThe Big Three hit over 1,200 feet worth of homers in the matter of 4 pitches 🤯 pic.twitter.com/wMWlGTlujY
— MLB (@MLB) September 1, 2024
近年、打撃指標で重要視される「平均打球速度」でトップに立つのは大谷。今季の平均95.8マイル(約154.2キロ)は、メジャーリーグ全選手でも2位にランクイン。ベッツは89.9マイル(約144.7キロ)、フリーマンは89.4マイル(約143.8キロ)でメジャー平均をやや上回る程度に留まっている。
そして、今季MLB公式で閲覧可能になった「スイング速度」。こちらも76.3マイル(約122.8キロ)の大谷が二人を抑えて全体8位に。ベッツは69.8マイル、フリーマンは69.1マイルでメジャーでも平均以下となっている。
■巧打者ふたりは積極性に違い
一方で、スイング時にバットの芯で捉える割合「Squared Up%」を比較すると、ベッツがメジャー4位の35.8%を記録。フリーマンもチームで2番目に高い27.7%となっており、強振が多い大谷の数字を上回っている。ベッツは空振り率と三振率も三者でもっとも低く、ボール球を振らないのが特徴だ。初球スイング率22.3%は、メジャー平均を大きく下回っており、慎重な一面が窺える。
そして、フリーマンが優れているのが「Sweet Spot(スイートスポット)%」。安打になりやすい角度8°から32°の打球割合を示すもので、3年連続メジャートップの43.1%をマーク。コンタクト重視で、誰よりも的確な角度をつけた打球を飛ばせる。初球スイング率が非常に高く、意外にも積極的。四球率でもベッツと大谷を上回っており、好球必打のスペシャリストと言えるだろう。
今季ドジャースを世界一に導いた最強のMVPトリオだが、データを比較すると様々な違いが浮かび上がってくる。特徴を踏まえた上で試合を観ると、新たな楽しみが生まれるのではないだろうか。
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