総合格闘家の朝倉海は7日(日本時間8日)、「UFC310」のメインマッチでフライ級王座をかけて現王者アレッシャンドリ・パントージャと対戦する。
勝てば日本人初、アジア人初のUFC王者が誕生する大一番。戦前予想やオッズでは現王者パントージャが優勢とする声が多いが、現地の格闘技専門メディアは「朝倉海 vs. パントージャ」をどう読むのか。
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■スタッフ7人中2人が朝倉勝利を予想
RIZIN前バンタム級王者の朝倉は、明日米国ラスベガスのT-Mobileアリーナで行われる「UFC310」のメインカードでUFCデビューを飾る。朝倉にとっては、ラスベガスでの初対戦、初の5分5ラウンド制、7年半ぶりのフライ級での対決など「やってみないとわからない」初めて尽くしのタイトルマッチとなる。
現地メディア『MMAマニア』は、「Best Fight Odds」での戦前オッズ、パントージャ勝利「-261」、朝倉勝利「+215」というパントージャ優位の情勢を踏まえて検証。「(朝倉は)慣れないケージで、あまり戦績のない体重で、異なるルールで戦うことになるので、かなりの調整が必要」だとし、「パントージャに勝つことを期待するのは難しい」と結論づけた。
さらに、現地メディア『ブラッディ・エルボー』では、スタッフ7人で勝敗予想を行い、うち2人が朝倉勝利と予想。なかでも朝倉のKO勝ちを予想したスタッフは、「パントージャは打撃が比較的雑で序盤は疲労して見えるがいつも盛り返す。しかし、今回は素晴らしい打撃力を持つ驚異的なパワーパンチャーとの対戦だ。グラップリングが上手くはまらなければ、アサクラが勝つだろう」とした。
パントージャ勝利を予想したスタッフのなかには「(UFC王者という)目標達成は決して容易なことではない。パントージャはこれまでのキャリアでもっとも困難な課題を提示するだろう」という厳しい声や、「(現実的に厳しいと思うが)カイ・アサクラがUFCデビュー戦で番狂せの勝利で格闘技界全体を揺るがすシーンが見たい」「キックボクシングの実力は折り紙つきだ」など朝倉の活躍に期待する声が上がった。
■パントージャにとって「間違いなく最強のストライカー」
さらに、現地メディア『MMAジャンキー』では「番狂わせを起こす可能性はどのくらいあるか?」と題した記事を投稿。二人のファイトスタイルを分析した上で、朝倉の一発と、「強力な膝蹴り」を警戒した。
朝倉のファイトスタイルについては、「フェイントをかける時も、リードパンチを打つ時も、常に後ろ手で引き金を引き続けている」と常に一発のチャンスを狙っているとし、「階級を問わず対戦相手を倒すことができる脅威的なパワーがありボディへのパンチを得意。そして強力な膝蹴りを隠し持っている」と昨年5月に行われた「RIZIN.42」の元谷友貴戦の動画付きで分析した。
【動画】「RIZIN.42」朝倉海、ボディへのパンチと膝で元谷友貴にKO勝ち
また、王者パントージャにとって朝倉は「2019年にデイブソン・フィゲイレードに敗れて以来、間違いなくパントージャが見た中で最も強力なストライカーになるだろう」とも述べ、「アサクラがパントージャの顎を打ち砕くことができれば、さまざまな意味で歴史を作ることになる」と朝倉勝利の可能性にも展望した。
ただ、現王者勝利が優勢だという見方は覆らず。「アサクラはディフェンスが遅れがち。UFCチャンピオンがアサクラを地面に押さえ込み、スクランブルを組み活躍する姿が目に浮かぶ」と朝倉に弱点を指摘し、「パントージャが序盤の危機を乗り越え、第2ラウンドまでにサブミッションで勝利する」と予想した。
現地格闘技メディアでは現王者の勝利が圧倒的に優勢と見られているが、その分朝倉が勝てば、日本人初のUFC王者としてだけでなく、格闘技史に残るジャイアントキリングとして歴史に名を残すことになるかもしれない。
朝倉が下馬評を覆し、UFCデビュー戦でパントージャに勝利を収めることができるか。瞬き厳禁の一戦に注目だ。
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