今週は春の古馬長距離王決定戦、第171回天皇賞・春(GI、芝3200m)が京都競馬場で行われる。
特別登録馬のなかでは、一昨年の覇者ジャスティンパレス、昨年の宝塚記念を制したブローザホーンがGI馬に該当。これに対抗するのは阪神大賞典を制したサンライズアース、日経賞を勝ったマイネルエンペラー、海外のレッドシーターフHを制したビザンチンドリームといった重賞ウイナーたちにショウナンラプンタ、ハヤテノフクノスケなど勢いのある4歳勢だ。
そんな中、ダイヤモンドS制覇からビッグタイトル獲得を狙うヘデントールが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■4歳馬は“菊花賞勝利か否か”に大きな壁
今年は7年ぶりに菊花賞馬が不在で争われる天皇賞春。その状況を鑑みると、昨年の菊花賞で2着に好走したヘデントールが俄然注目を集める存在となるだろう。昨夏に条件クラスを強い勝ち方で突破して菊花賞に駒を進めると、同レースは出遅れながら徐々に進出して初のGIで2着に健闘。今年初戦のダイヤモンドSでは後続を寄せ付けず、4馬身差の快勝劇を演じたようにステイヤー資質の高さを見せつけている。
しかし、4歳馬は“菊花賞を勝っているか否か”に大きな壁があるのが事実。2005年以降の菊花賞で、勝利した馬の翌年の本レースでの成績は【4.0.2.4】。4頭が春の盾も制しているのに対し、菊花賞2着馬の翌年の本レースでの成績は【0.0.2.9】で、最高着順は3着。レインボーラインが菊花賞2着から翌々年に制した例はあるが、菊花賞馬か否かという点は本レースの成績に大きな結びつきがある。
また、前走がダイヤモンドSという点も決して歓迎すべき材料ではない。過去10年の天皇賞春で、前走ダイヤモンドS組の成績は【0.1.1.16】。1頭も勝ち馬を輩出しておらず、主要ステップレースの中では最も低い信頼度だ。昨年の覇者テーオーロイヤルはダイヤモンドSから阪神大賞典を経て3連勝で本番を制したが、22年時にはダイヤモンドS制覇から直行で3着に敗れているように、直行ローテの相性の悪さを物語っている。
加えて、ルーラーシップ産駒という点も不安なところ。同産駒の天皇賞春における成績は【0.0.0.3】。サンプルこそ少ないが、菊花賞馬キセキは3番人気で6着に敗れていた。また、同産駒の京都芝2400m以上の勝率はわずか3.9%で、勝ち鞍は17年菊花賞のキセキが最後。それ以降は勝ち星を挙げられておらず、産駒の相性の悪さは気にかかる材料だ。
今回は、名手D.レーン騎手とのコンビとなり、鞍上込みで注目を集めそうなヘデントール。だが、菊花賞はあくまで2着という点や、ダイヤモンドSから直行という臨戦過程、血統面での相性の悪さなど人気ほどの信頼度は高くなく、妙味を考えると少なくとも「頭」勝負は避け、場合によっては「消し」でいってみたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。












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