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【今週の決戦】京口紘人 vs. 寺地拳四朗、日本人同士のライトフライ級頂上決戦がついに実現 ボクシング

 

【今週の決戦】京口紘人 vs. 寺地拳四朗、日本人同士のライトフライ級頂上決戦がついに実現 ボクシング
エステバン・ベルムデスとの「WBA世界ライトフライ級統一戦」に勝利し4度目の防衛に成功した京口紘人(C)Getty Images

ボクシングファンが待ちに待った一戦が実現する。

WBAスーパーチャンピオン京口紘人(ワタナベ)とWBCチャンピオン寺地拳四朗が互いの世界ライトフライ級のベルトをかけて11月1日、さいたまスーパーアリーナで激突する。戦前の予想も真っ二つに割れている。ワクワクする試合の行方を展望したい。

京口の戦績は16戦全勝11KO。2017年にプロ転向から最速の1年3カ月(8戦目)でミニマム級王座につき、翌年にはライトフライ級のベルトを巻いた。一方の拳四朗は8度の連続防衛が光る。不覚を喫した矢吹正道とのダイレクトリマッチを今年3月、3回KOリベンジ、戦績を19勝(11KO)1敗としている。願わくば、全勝同士でのファイトが見たかったが、統一戦の価値が下がることはない。

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■ファイター対ボクサーの興味深い対決

試合の興味を増しているのが、まったく異なるふたりのボクシング・スタイルだ。京口は前傾姿勢からどんどんパンチを繰り出すファイター、拳四朗はきれいなアウトボクシングを得意とする。近年はバランスの取れたボクサー・ファイターが多いため、スタイルの違う選手の頂上対決は少なくなった。古くて恐縮だが、ジョー・フレージャーモハメド・アリの名勝負を彷彿とさせる。

試合は当然、前に出る京口の攻勢を拳四朗がさばく展開が予想される。前半は、拳四朗のテクニックが勝り、京口の出鼻にカウンターを当てると見る。しかし、WBAチャンプのプレッシャーに押されてまっすぐ下がってしまうと、矢吹との第1戦のようになりかねない。緊迫したラウンドが続くだろう。

そして中盤以降、接近戦での打ち合いがあるはずだ。拳四朗は矢吹との再戦で、それまでにない積極的なインファイトを披露した。あの戦法に自信を持ったとすれば、強いパンチの応酬が増えるかもしれない。そうなれば、京口が回転の速い連打で主導権を奪う可能性もある。

■日本ボクシング史に残る好ファイトを期待

さて試合結果の予想だが、私は拳四朗の判定勝ちとしたい。京口のラッシュは迫力があり、ここ2戦は海外での防衛戦に圧勝して精神力の強さも証明した。しかし、戦ってきた相手は拳四朗のほうが上だ。冷静に自分のアウトボクシングに徹すれば、12ラウンドを支配し続けると見る。いずれにしても、実力伯仲の好試合となるだろう。

なお、日本人同士の世界王座統一戦は、過去に一度しかない。2012年6月に行われた井岡一翔八重樫東の記憶に残る打ち合いだ。今回も、日本ボクシング史に刻まれるファイトとなることを期待したい。

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■アンダーカードに次期モンスター、中谷潤人が登場

今回の興行は、アンダーカード3試合も見応え十分だ。準メインでは、9戦全勝6KOの岩田翔吉(帝拳)がWBO世界ライトフライ級王者、ジョナサン・ゴンザレス(プエルトリコ)に挑む。勝てば、メインイベントの勝者と3本のベルトをかけた統一戦が実現する可能性が高い。前半KO勝ちが多い岩田の強打が炸裂するか。

そして、“次期モンスター”の呼び声が高い中谷潤人(M.T)がスーパーフライ級でリングに上がる。相手は、昨年9月に井岡を苦しめたフランシスコ・ロドリゲスJr.。この難しい相手に完勝すれば、次は2回級制覇をかけたタイトルマッチとなるだろう。もちろん、井岡との試合が観たいところだ。

さらに、ワシル・ロマチェンコ、テオフィモ・ロペスという世界のスーパースターと拳を交えた中谷正義(帝拳)が、OPBFとWBOアジア・パシフィックのベルトを持つ吉野修一郎(三迫)と対戦する。吉野は15戦全勝11KOと無敗で、元世界王者、伊藤雅雪にも勝利を収めている。どちらに軍配が挙がるのか、極めて予想が難しい一戦。日本のライト級最強を決める試合にも注目だ。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

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ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。