1月21日は中山競馬場で伝統のGII戦・アメリカJCC(GII、芝2200m)が開催されます。
今回は2002年の東京開催を除く2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。
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目次
■勝率5割超のAJCC男
今年のアメリカJCCに騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは7騎手。各騎手のデータは次の通りです。
表から一目瞭然ですが、騎手ごとの巧拙がはっきりしている重賞で、連対率上位3騎手を順番に紹介していきます。
まず取り上げるのが集計期間内5勝、通算では7勝を挙げる“AJCC男”こと横山典弘騎手です。
集計期間内は2005年のクラフトワーク(1番人気)、07年のマツリダゴッホ(2番人気)、09年のネヴァブション(4番人気)、10年のネヴァブション(5番人気)、22年のキングオブコージ(3番人気)で勝利。
素の数値で優秀な同騎手ですが注目ファクターは「人気」で、1~5番人気の馬に当日跨った際は【5.1.0.3】の勝率55.6%、連対率66.7%。1番人気での勝利は1度のみで、2~5番人気の馬を4度も勝利に導いており、単勝回収値は205をマークしています。この勝率の高さは馬単や3連単の頭にぴったりです。
そして今年のアメリカJCCで横山典弘騎手が騎乗するのが前日16時時点4番人気のモリアーナ(牝4、美浦・武藤善則厩舎)。
昨年の紫苑Sではこのコンビで後方一気の豪快な追い込みを決めていましたが、ここでも驚きの勝利が見られるかもしれません。素直に軸扱いするのが正解でしょう。
■C.ルメール騎手は前走非GI出走馬なら……
続いて横山典弘騎手に次ぐ高い連対率を誇るC.ルメール騎手のデータを見ていきます。
同騎手は2016年のスーパームーン(3番人気2着)、19年のフィエールマン(1番人気2着)、20年のステイフーリッシュ(5番人気2着)、21年のアリストテレス(1番人気1着)で4度の連対がありますね。
ただし、10年のキャプテントゥーレ(1番人気11着)、22年のオーソクレース(1番人気6着)、23年のガイアフォース(1番人気5着)のように人気を裏切ってしまうケースも多々あり、ここでは取り扱いの難しい騎手。
注目ファクターは前走のクラスで、前走GI出走馬は【1.1.0.5】連対率28.6%に対し、前走非GI出走馬なら【0.2.0.2】連対率50.0%です。
ついつい前走GI出走馬に目がいってしまうものの、馬券的には前走非GI出走馬の好走割合が高いことを覚えておきましょう。
そんなC.ルメール騎手が跨るのが前日16時時点5番人気で、3勝クラスを勝ってGII戦に挑むクロミナンス(牡7、美浦・尾関知人厩舎)。熱いデータに該当するため押さえて損はなしと判断します。
■田辺裕信騎手は人気以上の好走も期待できる
最後に前日16時時点9番人気のアドマイヤハレー(牡6、美浦・宮田敬介厩舎)に騎乗する田辺裕信騎手のデータを見ていきます。
同騎手は2014年のヴェルデグリーン(2番人気1着)、15年のクリールカイザー(4番人気1着)で勝利を収めていますね。
以降は馬券絡みできていませんが、人気より下の着順に敗れたのは8回中1回のみですから、人気と同等または人気より上の着順が見込める騎手と判断して良さそうです。
流石に前日16時時点9番人気のアドマイヤハレーを勝ち負けに持ち込むのは難しそうですが、3連複や3連単の紐として考えてみてはいかがでしょうか。
以上、AJCCの気になる騎手データでした。データ注目騎手は横山典弘騎手です。同騎手は先週の京成杯でJRA重賞の最年長勝利記録を更新したばかり。美浦の大ベテランによる2週連続の更新に期待です。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。