【MLB】ドジャース歴代サイ・ヤング賞投手まとめ 伝説左腕に最強守護神、106登板鉄腕も…大谷翔平も続くか、史上最多12回獲得の“投手王国”

ドジャースのクレイトン・カーショー
ドジャースのクレイトン・カーショー(C)ロイター

今季はブレーブスのクリス・セール投手と、タイガースのタリック・スクーバル投手が初受賞を果たしたサイ・ヤング賞。MLBにおいて投手最高の栄誉でもあるこの賞は、大投手サイ・ヤング氏にちなんで1956年に制定され、現在はその年最も活躍した投手が各リーグから1名ずつ選出される。

サイ・ヤング賞獲得投手が在籍していたチームの中で、歴代最多となるのが今季ワールドシリーズを制覇したドジャース。歴代最多の12回で、2位のブレーブスに大きな差をつけている。この記事では、ドジャースの歴代サイ・ヤング賞獲得投手について解説していく。伝説のエースや106試合登板を果たした鉄腕、そしてあまり知られてはいないが、初代サイ・ヤング賞もドジャースの投手が受賞している。

 

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■カーショーは3度獲得

クレイトン・カーショー(2011、2013、2014年)

現役最多となる3回のサイ・ヤング賞を受賞したクレイトン・カーショー投手。2006年に全体7位でドジャースに指名されると、今シーズンまで移籍することなくチーム一筋で活躍。数少ないフランチャイズプレイヤーとして、近年のドジャースを象徴する存在となっている。

フォーシームの球速はMLB全体で見ればさほど速くはないが、独特でダイナミックなモーションから繰り出される切れ味鋭いスライダー、落差のあるカーブは彼の代名詞となっている。2010年から安定して2桁勝利の実績を残しているが、特筆すべきは3度目の受賞となった2014年。33試合に登板し21勝3敗、防御率1.77、奪三振239、WHIP0.86という驚異的な数値でシーズンMVPとサイ・ヤング賞の同時受賞を果たした。

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エリック・ガニエ(2003年)

140キロ以上の速さながら大きく変化する“バルカンチェンジ”を武器に、2000年代にドジャースのブルペンを支えたエリック・ガニエ氏。1995年にドジャース入団後、肘の故障などに苦しみ、なかなかメジャーで成績残せなかったが、2002年に初セーブを記録したことをきっかけにクローザーとしての才能が開花。

2003年には77試合に登板、2勝3敗、55セーブ、防御率1.20、奪三振137、WHIP0.69の成績でクローザーながらサイ・ヤング賞を受賞。2002年から2004年まで続けた84連続セーブ記録は現在も破られていない。

オーレル・ハーシュハイザー(1988年)

1979年のドラフトでドジャースに入団した後、徐々に頭角を現し80年代のエース格として活躍したオーレル・ハーシュハイザー氏。サイ・ヤング賞を受賞した1988年はまさに記録ずくめの1年。開幕から2度の6連勝を含む13勝で前半戦を折り返すと、59イニング連続無失点のMLB記録を達成。結果として35試合に登板23勝8敗1セーブ、防御率2.26、奪三振178、WHIP1.05の成績で満票でのサイ・ヤング賞選出。ワールドシリーズでは打席でも1試合3安打という奇跡的な活躍を見せMVPを獲得。チームのワールドチャンピオン獲得に貢献した。

フェルナンド・バレンズエラ(1981年)

1980年代、スクリューボールを武器に目覚ましい活躍をみせたドジャースの伝説的左腕投手がフェルナンド・バレンズエラ氏。1980年にメジャーデビューを果たすと、翌年の開幕戦で先発予定だった投手の怪我により急遽開幕投手に抜擢。この試合で完封を果たすとその勢いは止まることなく、25試合に登板、13勝7敗、防御率2.48、奪三振180、WHIP1.05で新人王とサイ・ヤング賞をダブル受賞。彼が付けていた34番は2023年に永久欠番に指定された。

■60年代は左右のWエースが大活躍

マイク・マーシャル(1974年)

リリーフ投手として初のサイ・ヤング賞を受賞したのがマイク・マーシャル氏。1973年にトレードでドジャースに移籍すると、翌年にメジャー最多記録となる106試合に登板。15勝12敗21セーブ、防御率2.42、奪三振143、WHIP1.19の成績でサイ・ヤング賞を受賞した。先発登板なしで208.1回を投げるという、現代では考えられない成績でもある。

サンディ・コーファックス(1963、1965、1966年)

3度のサイ・ヤングに輝いたほか、ワールドシリーズのMVPも歴代最多の2回獲得しているレジェンドがサンディ・コーファックス氏。30歳の若さで突如引退するものの、キャリア12年の中で4シーズンに渡って連続でノーヒッター3回、完全試合1回を達成するなど凄まじい成績を残し36歳の若さで野球の殿堂入りを果たした。氏が着用した32番はドジャースの永久欠番となっている。

ドン・ドライスデール(1962年)

1950年代から60年代にかけて、ドジャース一筋で活躍したドン・ドライスデール氏。サイ・ヤング賞を受賞したのは1962年。43試合に登板し、25勝9敗、防御率2.83、奪三振232、WHIP1.11の成績でサイ・ヤング賞の他、最多勝利、最多奪三振のタイトルも獲得した。1984年には野球殿堂入りを果たし、氏が着用した53番も同年にドジャースの永久欠番とされた。

ドン・ニューカム(1956年)

初代サイ・ヤング賞受賞者としてもしられているドン・ニューカム氏。ニグロリーグで活躍した後、1946年にドジャースに入団。1949年にメジャーデビューを果たし、史上初の黒人投手として歴史に名を刻んだ。1956年に38試合に登板、27勝7敗、防御率3.06、奪三振139、WHIP0.99の成績で同年より制定のサイ・ヤング賞とMVPを受賞した。投手ながら打撃にも定評があり、1962年にはNPBの中日にも打者として1年だけ在籍した経験もある。

2025年シーズンにはブレイク・スネル投手も加入、大谷翔平投手も復活することからより一層投手力を高めることが予想されるドジャース。今後もサイ・ヤング賞獲得者が多数現れるのか、注目していきたい。

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