今季のワールドシリーズで世界一を争った、大谷翔平投手(ドジャース)とアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)。現役最高の打者として比較されるふたりは、近年「真の長打力」を示す指標でも常にトップを競っている。
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■「長打率」から単打の要素を除外
ベースボールには「長打率」と呼ばれる成績がある。「単打=1、二塁打=2、三塁打=3、本塁打=4」で計算、合計塁打数を打数で割り、1打数あたりの平均値を表したものだ。長打率は「すべて単打で10打数4安打」の選手と「1本の本塁打で10打数1安打」の打者が、どちらも長打率.400になってしまい不完全な側面を持っている。
そこで、この長打率から単打の要素を除外した「ISO(Isolated power)」という指標が生み出された。数字が大きいほど、長打力に秀でた選手という解釈でいいだろう。単打はプラスにならず、二塁打以上のみが対象となる。目安としては、「.250以上でオールスター級」「.200で優秀」「.150ほどで平均的」といったところだ。
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』で「ISO」を比較すると、今季の規定打席到達者トップはジャッジで「.379」。大谷が「.336」で2位となっている。直近4年間を見ると、毎年ジャッジと大谷が交互にトップの座を奪い合っており、年間4人以上の.300超えはいない。今季3位はフアン・ソト外野手の.281で、大谷とジャッジがいかに突出しているかがわかる。
来季ジャッジは33歳、大谷は31歳を迎える。現役最強スラッガーの座を揺るがす、新たなライバルは現れるのだろうか。
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