今週は東京競馬場で、第42回フェブラリーS(GI、ダ1600m)が行われる。今年のJRA最初のGIレースに好メンバーが集結した。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。
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■フェブラリーステークス2025 出走予定馬全頭診断
・アンモシエラ
昨年秋以降は地方の牝馬限定重賞にこだわったローテーション。近走は相手に恵まれた感が強く、牡馬混合の中央ダートGIでは分が悪いだろう。
・アーテルアストレア
地方交流重賞でも後方待機がデフォルトの馬。快速馬が揃った今回は芝スタートの条件でもあり、追走で手いっぱいになってしまう可能性が高い。
・ウィリアムバローズ
阪神JFを制したアルマヴェローチェと同じ岩田望来×上村厩舎コンビの馬。それだけでも不気味に映るが、中2ヶ月以上の休み明け成績【5.3.0.1】と間隔があいたローテーションで真価を発揮する点も好材料と言えそうだ。船橋の日本TV盃でウシュバテソーロに先着と左回りも問題ないタイプ。外めの枠を引けるようなら妙味はさらに増す。
・エンペラーワケア
前走武蔵野Sは初のダート1600m戦で快勝。スムーズさを欠くレースにもかかわらず、狭いところから抜け出した勝負根性は立派だった。左回りでは【4.1.0.0】と抜群の安定感。GIの舞台でも侮れない。
・ガイアフォース
昨年の本レース2着。当時を含めマイル適性は申し分ないものの、前走チャンピオンズCが距離不適とはいえさすがに負けすぎ。2-4着までタイム差なしの大接戦だった昨年は展開のアヤと言える結果でもあり、2年連続好走へのハードルは高そうだ。
・コスタノヴァ
前走根岸Sは圧巻のパフォーマンスで勝利。東京無敗の強さをいかんなく発揮した強いレースぶりだった。過去10年のフェブラリーSにおいて、前走根岸S勝ち馬かつ東京マイル勝利あり該当馬は【3.0.0.0】。自身初となる間隔の詰まった臨戦過程がどうかも、目下の勢いを軽視することはできない。
・サンデーファンデー
惨敗続きだった昨年秋から一転、連勝で重賞ウイナーまで駆け上がった馬。良馬場ダート1800mの勝ち時計1分50秒台は優秀で、前に行った際の渋太さは折り紙つきだ。同型馬が揃ったここは厳しい展開が予想されるものの、何らかの印は必要か。
・サンライズジパング
テンのダッシュ力こそ特筆すべきものはないが、ジワジワと伸びる末脚を武器とする馬。ハイペース濃厚の展開はこの馬にプラスと言えるが、個人的には2000m以上、2100mあたりがベスト・ディスタンスだと思っている。ワンターンかつ芝スタートの舞台で連対のゾーンへの突入は至難の業か。
・タガノビューティー
落馬のアクシデントがあった前走は参考外と言えるが、中央場所のGIでは【0.0.0.3】と壁にぶつかっている印象あり。一変を望むのは酷に映る。
・デルマソトガケ
昨年以降は馬券内から遠ざかっており、ピークアウトの感。上位進出は厳しいだろう。
・ドゥラエレーデ
前走は完璧な立ち回りだったが、前を行くサンデーファンデーを捕まえられず後方のサンライズジパングに差されての3着。昨年の本レースは12着と惨敗を喫しており、昨年秋から数えて4戦目とコンディション面での上積みにも疑問が残る。
・ペプチドナイル
昨年のこのレース勝ち馬。600m通過33秒9の激流を4角4番手から2着に0秒2差と、まるで単勝1倍台レベルの強い勝ち方には驚かされた。過去10年のフェブラリーSにおいて、前走チャンピオンズCで3人気以内だった馬は【2.1.1.1】。天敵レモンポップがいない今回は前走との比較でメンバーも軽く、連覇の可能性は十分だ。
・ヘリオス
地方交流重賞でもフタ桁着順に敗れてしまう現状。厳しい。
・ミッキーファイト
デビューからいまだ馬券外なしと抜群の安定感を誇る馬。東京ダート1600mも経験済みで一気の戴冠を狙う1頭だが、これまでテンに速い競馬を経験していない点が引っかかる。ゴールドドリームにカフェファラオ、モーニンなど本レースを制した4歳馬は東京ダート1600m重賞馬券内歴あり。ここは押さえ程度が妥当とみる。
・ミトノオー
昨年秋以降は勝ち馬と1秒以上離されるレース続き。変わり身は望み薄か。
・メイショウハリオ
8歳を迎えた古豪が2年ぶりの参戦。1年半以上も勝ち星から遠ざかっている点からピークアウトを疑う声もあるが、近2走はきっちり馬券内を確保している。当舞台は【1.0.1.0】、2年前の本レースは大出遅れから3着好走と適性は十分。ハイペースを利して大外から突っ込んでくるパターンは想定したい。
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UMAJIN.netより一部編集・転載(2025年2月20日 18:00公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。