目次
第5位 モンスター井上尚弥、ラスベガス・デビューを7回KOで飾る

(C)Getty Images
ボクシング、WBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチは10月31日(日本時間1日)、米ラスベガスのMGMグランドで行われ、WBA、IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥が、WBA同級2位のジェーソン・モロニー(オーストラリア)に7回KO勝ち、下馬評通り防衛に成功した。
同対戦のプロモーター、ボブ・アラムは「井上がラスベガスでのデビュー戦でいい勝ち方をすれば、マニー・パッキャオのようなスーパースターになるかもしれない」と史上2人目の6階級制覇を達成したフィリピンの英雄を例に井上を称賛。井上は、果たしてパッキャオのような世界的スーパースターへの階段を駆け上がるのか、今後を超期待したい。
第4位 大坂なおみ、全米オープンを再び制す

(C)Getty Images
全米オープンテニスは9月12日、第13日目に女子決勝が行われ大坂なおみが、ベラルーシのビクトリア・アザレンカに2-1で逆転勝ち、同大会2年ぶり2度目の優勝を飾った。
大坂は本大会の入退場時に、人種差別に基づく暴力を受けた被害者の名前が記されたマスクを着用。コート外でも耳目を集めた。人種差別に対し、まさに肌感覚に欠ける日本からは批難の声も多かったが、外野の声に負けることなく、優勝を果たした点で尊敬に値する。
今年引退したシャラポワが全米を制したのはたった1度。名選手と比較しても2度目の優勝の価値が理解できるだろう。
第3位 中嶋一貴組、ル・ルマン24時間耐久レース3連覇達成
第88回ル・マン24時間耐久レースは8月15日、予選3番手でスタートした中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレイを擁したトヨタTS050 ハイブリッド8号車が優勝、同レース3連覇を飾った。
ポールポジションからスタートした小林可夢偉らを擁した同7号車は、中盤にターボにトラブルなどに見舞われ、3位に終わった。
なお昨年はFIA世界耐久選手権において、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソとともにドライバーズチャンピオンとの2冠に輝いた中嶋は、今年2位に終わり、代わってマイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスとともに小林可夢偉が年間チャンピオンに輝いた。
世界最高峰モータースポーツのサーキット・レースにおいて、日本人がドライバーズ・チャンピオンとなったのは中嶋一貴が初、そして小林可夢偉が2人目。
それにしても世界三大レースの一角、ル・マン3連覇など20年前から眺めたら、夢のまた夢。その割には日本のメディアによる扱いがぞんざい過ぎ、けっこう不思議な気分に。
第2位 3年ぶり2度目、佐藤琢磨が再びインディ500を制す

(C)Getty Images
世界自動車レース、第104回インディアナポリス500マイルレースは8月23日に決勝が行われ、佐藤琢磨(ホンダ)がスコット・ディクソン( ニュージーランド)の激しい追い上げに競り勝ち、3年ぶり2度目の優勝を飾った。
昔話ばかりで恐縮だが、これを10年前の自動車業界関係者に耳打ちしたとしたら、誰もが「まさか」と疑っただろう。四半世紀前ならF1にフルタイム参戦した日本人ドライバーさえなく、インディを走った日本人もなかった。ル・マンなどやっと日本車が参戦したかしないか。世界三大自動車レースに日本人の軌跡はなく、その制覇など夢として語られていた。
もちろん、それまでの日本人ドライバーにはない新世代のレーサーとして将来を嘱望されて来た佐藤だが、F1では3位表彰台が最高成績。ドライバーズ・チャンピオンに絡むことさえできなかった。
それがあの「インディ500」を2度も制覇するドライバーとなって帰って来た。琢磨の実力を侮った点「よもやよもやだ。専門家として不甲斐なし! 穴がったら入りたい!」気分だ。
こうなったらさらなる「新世代」と呼ばれ、弱冠二十歳でアルファタウリからF1参戦が決まった角田裕毅に至っては、ぜひモナコGP制覇を託したいものだ。もちろん、琢磨には3度目のインディと年間チャンピオンを狙ってもらいたい。
第1位 大坂なおみが米『スポーツイラストレイテッド』誌の「スポーツパーソン・オブ・ザ・イヤー」に輝く

(C)Getty Images
米スポーツ専門誌『スポーツイラストレーテッド」は12月6日(日本時間7日)、「スポーツパーソン・オブ・ザ・イヤー」を発表。NBAのレブロン・ジェームズやNFLのパトリック・マホームズらとともにテニスの大坂なおみも選出された。
コロナ禍に揺れた2020年のスポーツ界を象徴するように、本賞に関して同誌は「フィールド内外におけるチャンピオン」であった選手の選出と紹介。「活動家であるアスリート」という見出しをとるなど、競技面以外でも特筆すべき実績を残した選手たちにスポットを当てた。
大坂は全米オープンの入退場時に、人種差別に基づく暴力を受けた被害者の名前が記されたマスクを着用。同誌は「社会不正と戦う声をあげた、全米オープンのチャンピオン」と紹介した。
「年間最優秀選手」を表彰して来た歴史ある同賞において、日本人が選出されたのはもちろん初めて。大坂の偉業について、内弁慶な日本人はさらに評価すべきであり、自身の凝り固まった価値観を省みる契機として欲しいもの。
以上、独断と偏見により10大ニュースの発表とした。2021年はあらためて純粋にスポーツを楽しめる年を迎えたいと願うとともに、コロナ禍においても読者のみなさんのご健康を祈念し、年末の挨拶に代えたい。
著者プロフィール
たまさぶろ●エッセイスト、BAR評論家、スポーツ・プロデューサー
『週刊宝石』『FMステーション』などにて編集者を務めた後、渡米。ニューヨーク大学などで創作、ジャーナリズムを学び、この頃からフリーランスとして活動。Berlitz Translation Services Inc.、CNN Inc.本社勤務などを経て帰国。
MSNスポーツと『Number』の協業サイト運営、MLB日本語公式サイトをマネジメントするなど、スポーツ・プロデューサーとしても活躍。
推定市場価格1000万円超のコレクションを有する雑誌創刊号マニアでもある。
リトルリーグ時代に神宮球場を行進して以来、チームの勝率が若松勉の打率よりも低い頃からの東京ヤクルトスワローズ・ファン。MLBはその流れで、クイーンズ区住民だったこともあり、ニューヨーク・メッツ推し。
著書に『My Lost New York ~ BAR評論家がつづる九・一一前夜と現在(いま)』、『麗しきバーテンダーたち』など。



















