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【ボクシング】井岡一翔、最大の敵は“モチベーション” 15連勝中のロドリゲスJr.相手に3度目の防衛戦 

【ボクシング】井岡一翔、最大の敵は“モチベーション” 15連勝中のロドリゲスJr.相手に3度目の防衛戦 
井岡一翔(2019年12月31日・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ時) (C)Getty Images

■井岡に求められる“完勝”、世界へのアピールなるか

勝負のポイントは距離だろう。ロドリゲスは接近して近距離の打ち合いに持ち込まない限り勝機はない。それに対して井岡は中間距離からの強いコンビネーションを狙う。チャンピオンは接近戦にも対応できるが、あえて敵の距離で戦う必要はない。距離を保ってボクシングをすれば、本人がいうように「力の差を見せつける」だろう。

むしろ、波乱が起こるとすれば、井岡本人の心の問題。ラスベガスでのビッグマッチ、王座統一戦を熱望し続けながら、またしても大田区総合体育館での“指名試合”となった。しかも、今回は無観客だ。モチベーションを上げるのも難しい。

そもそもなぜ2位の選手と指名試合が組まれたのか?。それは1位のシーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)がカルロス・クアドラス(メキシコ)との再戦を優先しているためだ(未定)。また、10月16日にはファン・エストラーダ(メキシコ)とローマン・ゴンザレス(ニカラグア)が注目のラバーマッチを行う。

近年の世界スーパーフライ級はこの4選手を中心に回っている。井岡は実力的に匹敵しながら、ビッグマッチの輪に加わることができない。上記2試合の勝者が事実上の最強王者決定戦を行う構想もあり、そうなると井岡の出番はさらにその後になる。32歳の心に焦りは大きいだろう。

それに加えて、タトゥー問題、ドーピング問題があった。“一件落着”とはなったが、スッキリはしていないはずだ。闘争心を燃やして、なんとか世界にアピールする勝ち方をすることが大切だ。

そして、IBF王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)を当面のターゲットにビッグマッチを実現してほしい。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。