【ボクシング】中谷潤人が圧巻米デビュー、尾川堅一も念願の世界王座…各階級日本人選手の現在地

 

【ボクシング】中谷潤人が圧巻米デビュー、尾川堅一も念願の世界王座…各階級日本人選手の現在地
初防衛戦で勝利した中谷潤人(C)Getty Images

■ライバル同士の井岡と田中は苦戦

WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔は9月1日にフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)の挑戦を3-0の判定で退けて、3度目の防衛に成功。しかし、内容は決して褒められたものではなかった。格下挑戦者のパンチを不用意にもらい、劣勢に立つ場面すらあった。

しかも、ようやく決まったジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦が政府のコロナ水際対策のため延期となってしまった。12月31日には、代役の福永亮次とタイトルマッチを行うが、今回もチャンピオンの精神状態が心配だ。逆に福永にとっては、降って湧いたようなチャンス。高いモチベーションで挑むだろう。

その井岡に昨年の大晦日に敗れた元3階級王者・田中恒成は、12月11日に名古屋国際会議場で再起戦のリングに上がった。対戦相手はIBFスーパーフライ級5位の石田匠。田中がスピード、パンチ力で上回ると予想したが、石田もシャープな左右ストレートをヒットさせ、世界ランカー同士の好試合となった。

最終10ラウンド終了後の判定は、2-1で際どく田中が勝利。審判の一人は第7ラウンドに10-10をつけて1ポイント差で田中を支持していた。2022年は、田中の4階級制覇とともに、石田の戴冠にも期待したい。

■尾川はニューヨークで4年越しの戴冠

日本の“総大将”井上尚弥は、WBAスーパー、IBF世界バンタム級のベルトをかけて、2度の防衛戦を闘った。6月19日のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)、12月14日のアラン・ディパエン(タイ)ともに、モンスターにとっては易しい相手。挑戦者の我慢強さに手を焼くシーンこそあったが、いずれも楽勝の内容だった。来年こそは、2年越しの目標である4団体統一を達成してほしい。

スーパーフェザー級の尾川堅一は、11月27日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで大仕事をした。IBF王座決定戦に出場し、アジンガ・フレジ(南アフリカ)から3度のノックダウンを奪って3-0の判定勝ちを収めたのだ。

尾川には4年前、テビン・ファーマー(アメリカ)を破って勝ち名乗りを受けながら、その後、ドーピング陽性で王座が幻になった悔しい経験がある。今回の決定戦も、相手や開催地が二転三転した末にようやく行われた試合だった。得意の右ストレートに磨きをかけて、苦労して手に入れたタイトルを守ってほしい。

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6月には中谷正義が聖地ラスベガスで、元3階級制覇王者のワシル・ロマチェンコとのライト級12回戦に臨んだ。ノンタイトル戦でありながら、異例の注目度となったこの試合、中谷は持ち前のタフネスを発揮するが、精密機械の異名を持つロマチェンコの前に9ラウンド1分48秒でTKO負け。試合直後には井上尚弥も自身のTwitterに「(ロマチェンコの)世界最高峰のテクニックは凄い…」と驚嘆のコメントを残した。

WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太は熱望していたゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との王座統一戦が目前で消滅。これで2年以上、リングから遠ざかることになる。本人の言葉どおり「試練のとき」だろう。早い時期の対戦実現をともに待ちたい。

今年は海外のリングで躍動する日本人選手が目立った。2022年は、8人の世界チャンピオンはもちろん、新たに王座獲得を目指すボクサーたちの胸のすくような活躍を期待したい。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。


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