【中京記念/血統傾向】4戦連続で馬券外も、タフな展開で“復活”の可能性 「早枯れ認定は早計」の配合

 

【中京記念/血統傾向】4戦連続で馬券外も、タフな展開で“復活”の可能性 「早枯れ認定は早計」の配合

23日に中京競馬場で行われる中京記念(GIII、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。

2018年以降の中京芝1600mで行われた重賞レース(中京記念、京都金杯、シンザン記念)で3着内に入った種牡馬データを集計、下記の成績表をもとに推奨馬を紹介する。

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■ペースが流れた「スピードの持続力勝負」に強いロードカナロア

過去5回の種牡馬データを見ると、ディープインパクトやロードカナロア、リアルスティールなど、スピードタイプの種牡馬が活躍していることがわかる。

中京開催の3着内種牡馬成績(2018~23年の中京危険、京都金杯、シンザン記念)

中京開催の3着内種牡馬成績(2018~23年の中京記念、京都金杯、シンザン記念)

特に、ロードカナロア産駒は2019年に中京で行われた中京記念で、グルーヴィットが差し切って重賞初制覇。2021年の京都金杯でも12番人気と伏兵扱いだったケイデンスコールが復活の勝利を挙げているように好相性のレースだ。

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ロードカナロア産駒が好走できる理由は、コース形態とレースの質にある。中京芝1600mは、スタート後の直線が長く、向こう正面の半ばからは下り坂に切り替わるコース形態。さらに本レースには短距離路線からの参戦が多いこともあり、中間が緩まずミドルからハイペースになりやすい。

また、ゴール前の直線の長さは412.5mと長いため「スピードの持続力」が必要のため、持続力に長けたロ―ドカナロアの血が活きてくるのだ。

今年の出走馬を見渡してみると、アナゴサンやアドマイヤビルゴ、シュリ、ウイングレイテストなど、逃げ先行脚質の馬が多数出走を予定しているし、距離延長組からはマイル重賞勝ちのある実力馬・ホウオウアマゾンも出走していることから、今年もミドルペース以上になると想定する。

そこで今回はロ―ドカナロア産駒の2頭を推奨馬としてピックアップしたい。

■ダノンスコーピオン

昨年のNHKマイルCの勝ち馬。しかし3歳マイル王に君臨した後は勝利がなく、近4走は掲示板外と調子を落としているが、GIIIのメンバーとの比較においては、これまで戦ってきた相手を考慮すると力は一枚抜けているのではないか。

ダノンスコーピオンの好走レースを振り返ると、トウシンマカオやオタルエバーなどの距離延長組がレースを引っ張り、前半からペースが流れたNHKマイルCで勝ち切ったように、ペースが上がってタフな展開になると輝く持続力で勝負するタイプ。少なくとも近4戦のうち、マイルCS、香港マイル、京王杯SCの3戦はスローの展開であったため、展開が向かなかったと解釈してもいいだろう。

また、道中のリズムが悪くて競馬にならなかった共同通信杯で7着に終わった後、立て直してアーリントンCで勝利を収め、上昇気流に乗ったように、きっかけひとつでまた活躍できるポテンシャルを持った馬であることは間違いない。

早くから活躍している戦績から早熟ではないかという懸念点はあるかもしれないが、父ロードカナロア×母父サドラー系の血統構成には、4歳になってから4連勝して目黒記念を制したキングオブコージや、こちらも4歳になってから福島記念、そしてドバイターフを制するなど躍進したパンサラッサがいるように、早枯れ認定するのは早計だと言える血統構成。

よって展開が向きそうな今回、血統的にも復活の可能性を秘めている本馬を推奨馬の1頭に推したい。

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文●中井達也(SPREAD編集部)