■ララクリスティーヌ
【中間調整】昨年の夏からオープンで走り始め、リステッドのキャピタルS勝ち、GIIのスワンSで2着。今年初戦の京都牝馬Sではマイペースで逃げ、勝ちパターンに持ち込んでいたウインシャーロットをゴール寸前で差し切り重賞初制覇と充実ぶりは目覚ましいものがある。前走・ヴィクトリアマイルは14着に崩れたが、序盤のポジション争いでゴチャつき力んで消耗したのが影響したよう。能力負けではなかったはずだ。
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その後は過去【2.1.0.0】と崩れていない新潟での関屋記念一本に絞り、放牧を挟んで調整が進んでいる。7月16日に坂路15-15をこなし、19日にはさっそくCW3F37秒0(一杯)と速いところをやれたあたり、十分にリフレッシュされ、牧場での鍛錬もある程度進んで帰ってきたようだ。1週前となる8月3日のCW追いでは終いにややズブさを見せたものの仕掛けに力強く脚を伸ばし、プロキオンS勝ちのオープン馬ドンフランキーに対し、先行先着を決めていた。
【最終追い切り】レース当週はCW単走。序盤から高いモチベーションを削がないようある程度速いラップを刻み、馬場の真ん中に誘導された直線では機敏な手前変換からスパッと切れた。単走とは思えない気迫があったのは好感。
【見解】ここしばらくは1週前である程度速い時計を出し、最終追いは遅い全体時計のなか微調整に徹するというパターンを踏んできた馬。しかし今回は1週前の時点で物足りなさがあったのか、最終追いのほうが速い全体時計となっている。このあたりがどうかだが、馬にはまったく無理をさせておらず、ラストにしっかり脚が残っていた。不問としていいだろう。昨秋のスワンSも1週前より最終追いが強い負荷だったが、2着に入線している。なんにせよ、目標の新潟重賞へピタリと仕上げたあたり、斉藤崇厩舎の厩舎力を素直に褒めるしかない。勝ち負け濃厚。
総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。