10日は阪神競馬場でサマースプリントシリーズの6戦目となるセントウルS(GII、芝1200m)が開催されます。
サマースプリントシリーズはシリーズで2勝を挙げたジャスパークローネの優勝が確定済み。そのためスプリンターズSの前哨戦として素直に考えたいところです。
なお、阪神競馬場は2006年に大規模改修があり、2007年以降の過去レースが集計対象です。また、近3年は京都競馬場の大規模改修工事に伴う日割り変更のため中京が舞台。そのぶんはオミットしました。
それでは気になる騎手データを見ていきましょう。
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目次
■戸崎圭太騎手の数値は悪くないが…
今年のセントウルSに騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは9騎手。各騎手のデータは次の通りです。
集計対象期間が短くなってしまう「重賞あるある」ですが、何とも言えないデータが算出されましたね。
連対経験があるのは僅か3名で、うち2名は連対率が10%台。その連対経験がある騎手の中で最も連対率が高いのが戸崎圭太騎手。まず同騎手のデータを見ていきます。
同騎手は2014年のハクサンムーン(1番人気2着)で馬券絡みがありますが、過去3度の騎乗で全て人気以下の着順。2015年のストレイトガール(3番人気)は3着馬とハナ差の4着、17年のメラグラーナ(3番人気)も3着馬とアタマ差の4着でした。崩れないものの接戦での勝負弱さは少し気になります。
戸崎圭太騎手は前日17時時点3番人気のピクシーナイト(牡5、栗東・音無秀孝厩舎)に騎乗予定ですが、軸よりは相手として考えるべきかもしれません。
■幸英明騎手は過信禁物
ここからは人気馬に跨る騎手について、セントウルSを含む阪神芝1200m重賞に広げて集計し見ていきます。
まず前日17時時点1番人気のビッグシーザー(牡3、栗東・西園正都厩舎)に跨る幸英明騎手。
人気馬に跨る機会が少なくセントウルSの過去データから買い材料は見つけられませんが、2007年以降の阪神芝1200m重賞の成績は【0.2.1.14】連対率11.8%と少し上向きます。
それでも気になるのは2、3番人気に支持された際の成績で、結果は【0.1.0.3】連対率25%。2008年セントウルSのファイングレイン(2番人気9着)、10年セントウルSのヘッドライナー(3番人気4着)、20年京阪杯レッドアンシェル(2番人気14着)ら人気で大きく敗れるケースが見られますね。
やはりデータ上は買い材料が乏しく押さえまでとするのが良さそうです。
■ベテラン2騎手より買える存在は…
続いて前日17時時点4番人気のジャングロ(牡4、栗東・森秀行厩舎)に跨る武豊騎手ですが、2007年以降の阪神芝1200m重賞に広げて集計すると成績はさらに低下。牝馬なら買えるのですが、牡馬は手が出しづらい状況です。
さらに前日17時時点2番人気のアグリ(牡4、栗東・安田隆行厩舎)に跨る横山典弘騎手も同様に広げて集計すると【0.0.0.4】で、2020年CBC賞のクリノガウディー(1番人気12着)、22年京阪杯のサンライズオネスト(2番人気13着)など結果が出ていません。
ただし、可能性がある騎手は見つけることができ、それは前日17時時点7番人気のロンドンプラン(牡3、栗東・宮本博厩舎)に跨る吉田隼人騎手です。
同騎手は2007年以降の阪神芝1200m重賞で平均人気「5.5」に対し、平均着順「3.8」と優秀。2020年京阪杯では3番人気のフィアーノロマーノを勝利に導き、22年京阪杯では12番人気のマリアズハートで4着と激走。
2021年京阪杯こそ1番人気のシヴァージで6着に敗れましたが、総合的に考えるとここなら買える騎手と判断して良さそうです。
以上、セントウルSの気になる騎手データでした。データ注目騎手は吉田隼人騎手です。上位人気馬に跨る騎手は買いと判断できるデータが少ないため、データ注目騎手を交えたボックスで勝負してみるのはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。