【菊花賞/追い切り診断】ソールオリエンスがまさかの……「B」辛口評価 「前進気勢がやや強く、距離の壁が立ちはだかるかも」

 

【菊花賞/追い切り診断】ソールオリエンスがまさかの……「B」辛口評価 「前進気勢がやや強く、距離の壁が立ちはだかるかも」

■ソールオリエンス

【中間調整】無敗の3連勝で皐月賞馬となった現3歳世代のトップ級ホース。日本ダービーで初の敗北を喫したが、これは勝ったタスティエーラに最高に巧く乗られた感があり、ソールオリエンス自身は初の左回りで若干だけスムーズさを欠いた分もあっただろう。それでクビ差2着なら負けて強しと言えた。秋の最大目標を父キタサンブラックも制した菊花賞とするのは早い段階で設定されており、秋はセントライト記念から始動。単勝1.6倍という断然の1番人気に応えられず、レーベンスティールに1馬身3/4差の2着に敗れたが、“菊花賞想定”で後方での折り合いに専念し、早めに抜け出した勝ち馬に届かなかったもの。4角で弾かれる不利があったし、このレースでも強さをしっかりアピールできたと言っていい。

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その後は予定通り在厩。10月1日に坂路4F55秒2(馬なり)の初時計を出し、以降坂路とウッドを併用するいつも通りの調整が進んでいる。1週前追いでは横山武騎手を背にGI馬ウインマリリンをウッドで追走。いささか掛かり気味ではあったが、併走では手応え優勢で相手をアオり併入としている。

【最終追い切り】レース当週も横山武騎手が騎乗し、ウッドで併せ馬。準オープン馬を追走し、直線では内側に進路を取る併せ馬。ギリギリまで併せに行かず、満を持して仕掛けられるとさすがの切れから測ったように抜き去って半馬身差の先着を果たしている。終始好バランスで、持ち前の高い操縦性を確認できた。

【見解】いつも通りのルーティンで調整はこなせているし、軽快さは久々だった前走以上のものがある。ただし前進気勢がやや強く、反応も機敏過ぎるあたりが初の3000mを走るにあたって若干だけ不安。体を併せず、ギリギリまで後ろで待たせた最終追いもそういった面を気遣ってのメニューに思えてくる。直線で体を並べる形を避けたあたり、気持ちが入り過ぎて消耗することへの恐れがあったのかも。動きそのものはスムーズだし、素軽さもあるが、本番では距離の壁が立ちはだかるかもしれない。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。