今冬のフリーエージェント(FA)市場において、大谷翔平投手と山本由伸投手の争奪戦が勃発している。高額年俸が予想される2人を同時に狙うチームもあるようだが、財政事情を考えれば、現実的には多くの球団がどちらかを断念せざるを得ない。米メディア『NBCスポーツ・ボストン』は「大谷か山本か。レッドソックスが優先すべき選手は?」というアンケートを実施。その結果は――。
◆大谷翔平の移籍先として「適さない6球団」を選出 相性の悪さ1位は… 米メディアがランク付け
■財政事情を考えれば両獲り困難
ボストン・レッドソックスの新編成部長に就任したクレイグ・ブレスロー氏は先日の会見で「先発ローテーションのアップグレードが必要だ」と話し、球団のトム・ワーナー会長は「今オフ、才能のある選手を獲得するのに全力で臨む」と公言した。
『NBCスポーツ・ボストン』は両者のコメントを受けて「もし、その言葉通りならレッドソックスはFA市場で間違いなくトップ2に挙がる名前、二刀流の天才・オオタニと日本のエース・ヤマモトの獲得に乗り出すはずだ」と記した。しかし、「オオタニ獲得には記録的な金額が必要となり、ヤマモトとの契約にも総額2億ドル(約303億円)以上が求められる。そのため、球団としては獲得を優先すべきスターを1人選ばなければならない」とし、財政事情を鑑みて“同時獲得”は困難と説明した。
そこで同メディアはファンに向けてアンケートを実施。「オオタニかヤマモトか。どちらを獲得すべきか」という問いに対して、「オオタニと回答したのが63.1%で、ヤマモトと回答したのが36.9%だった」と報告した。
この結果について「驚くべきものではない。オオタニは球界の顔であり、間違いなくリーグ史上最も才能のある選手である。ヤマモトはオフの移籍市場で高評価を得ているが、MLBの舞台でまだ何も証明していない。つまり、まだよく知られていない名前だ」とし、大谷に軍配があがるのは当然とした。
■優先順位は先発投手、右打者、守備
ただ、同メディアの見解としては「ア・リーグ東地区最下位からの脱出を目指す来季のレッドソックスにとってはヤマモトの方が理にかなっている」とし、投手補強が急務のチーム事情に照らして、来季マウンドに上がれない大谷より山本獲得を優先すべきと訴えた。
ブレスロー編成部長はオフのニーズとして先発投手のほか、右打者と守備のアップグレードを挙げており、来季DH専念で左打者の大谷が補強方針にマッチしないのは明らか。同メディアは「来シーズン再び優勝争いに加わりたいのであれば、ヤマモトのような真のエースとの契約はチームの最優先事項であるべきだ。それが一生に一度の才能(大谷)を逃すことを意味するとしても」と結んだ。
アンケートではファンは圧倒的に大谷を求めているが、現実的には山本獲得を目指すのが正解なのか。レッドソックスには吉田正尚外野手が所属しており、山本が移籍すればオリックス・コンビの結成となるが、果たしてどうなるか。日本のファンも注目だろう。
◆「史上最恐トリオの誕生」なるか 大谷翔平の新天地オッズを米メディアが報道 「サプライズな着地点にも注目」
◆大谷翔平の負傷が影響か 「先発投手陣の需要が高まっている」大物代理人が分析する移籍市場
◆FA先発投手ランキング1位は山本由伸 2位に甘んじたサイ・ヤング賞候補スネルの代理人は納得いかず“難癖”か
文●SPREAD編集部