今週は2歳マイル戦線の王者を決める、第75回朝日杯フューチュリティS(GI、芝1600m)が阪神競馬場で行われる。
今年は、東京スポーツ杯2歳Sを制したシュトラウスや、デイリー杯2歳S覇者ジャンタルマンタル、札幌2歳Sを制したセットアップ、小倉2歳S勝ち馬アスクワンタイムと、重賞ウイナーが4頭参戦。そのほか、エコロヴァルツ、エンヤラヴフェイスなど骨っぽいメンバーが集結し、見応えのある一戦となりそうだ。
そんな中、デビューから2戦無敗のダノンマッキンリーが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
◆【朝日杯フューチュリティステークス2023特集】出走予定・枠順、予想オッズetc.「重賞ウイナー2騎の追い切り評価は『SとB』で明暗」 予想に役立つ馬券攻略ガイド
目次
■2歳GIに縁のない名伯楽
昨年のセレクトセール1歳セリ部門で、2億4200万円と超高額で落札され、デビュー前から注目を集めていたダノンマッキンリー。その期待に応えるように、新馬戦から2連勝で、勇躍GIへ駒を進めてきた。
デビュー戦は好位から進み、着実に勝ち上がることを意識したレース運びだったが、前走の秋明菊賞(1勝クラス)では、敢えて中団に控え、終いでどれだけ伸びるかを試すような競馬に。結果、上がり3F34秒0と、強烈な決め手を発揮して快勝を果たし、今後を見据える上では、レース幅を広げる内容となった。
問題は、1400mしか経験しておらず、距離延長となる点が今回の懸念材料。血統背景から、距離は問題ないようにも思えるが、過去のデータから紐解くと、そこまで絶大なる信頼感は置けない。
阪神開催に変わった2014年以降、過去9年で、前走が1勝クラス以下だった馬の成績は【4.0.2.42】で、オープン・重賞組と比較すると少し分は悪いが、勝ち馬を4頭も輩出しており、決して無理筋ではない。
しかし、3着以内に入った6頭は、すべて1600m以上(勝ち負けを問わず)のレースを経験したことがある馬。前走1400mの未勝利勝ちから朝日杯FSを制した20年グレナディアガーズも、一度はマイル戦を走っており、距離経験値の有無は、当レースでの結末に大きな影響を与えそうだ。
また、ダノンマッキンリーは藤原英昭厩舎の管理馬だが、これまでにダービー2勝、GI通算11勝を誇る伯楽も、阪神ジュベナイルFやホープフルSも含めて、2歳GIにはなぜか縁がない。
これまでの2歳GIの成績は【0.0.1.8】と、20年朝日杯フューチュリティSで、レッドベルオーブが1番人気で3着に敗れるなど、結果が伴っていない印象。出走数も少なく、2歳時に目イチに仕上げてタイトルを奪取、というよりも、あくまで翌年のクラシックなど、先々を見据えた調教スタイルが、この数字に表れているのかもしれない。
2戦無敗で来ているダノンマッキンリーだが、これまで戦ったメンバーの戦績などを見てみると、やや低調な相手関係だったイメージもあり、重賞ウイナーたちを相手に、実際はどこまで戦えるのか、微妙な印象もある。ましてや、藤原英昭×ルメールというコンビだけで、おそらく人気も過剰になりそうで、妙味を考えると、ここは思い切って「消し」でいきたい。
朝日杯フューチュリティステークス2023 予想コラム一覧
馬券攻略ガイド
「重賞ウイナー2騎の追い切り評価は『SとB』で明暗」出走予定・枠順、予想オッズetc.
騎手データ
【騎手データ】ルメールJは「7鞍中6鞍で人気以下の着順」 軸は“連対率100%”の人馬
追い切り評価
【追い切り診断】ダノンマッキンリーを上回る「S」の最高評価 「GI制覇へ、まさに泰然自若」
【追い切り診断】重賞ウイナーがまさかの……辛口「B」評価 「最終追いの速い時計は誤算か」
【追い切り診断】シュトラウスを上回る高評価 「緻密なプランに好感、期待は膨らむばかり」
【追い切り診断】想定“10人気”前後に激走予告の高評価 「精神面での完成度は一枚上」
データ分析
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穴馬予想
【穴馬アナライズ】「ジャンタルマンタルに目を奪われがちだが……」 前日“10人気”前後の盲点
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【WIN5予想】シュトラウスは“消し”想定2桁オッズ含む2頭 WIN3は前走逃げ馬「一点突破」
12/16~17 重賞全頭診断
【朝日杯FS】想定8人気以下に「5.1.3.0」 “平凡な時計”でも軽視禁物
【ターコイズS】「勝率100%」条件合致で波乱の使者に 荒れるレースを制するのは
血統予想
【血統予想】想定8人気以下に単回収値「512」 波乱の使者になりうる穴馬は……
枠順傾向
【枠順】人気サイドに「0.0.0.19」の可能性 “馬券内率84%”手堅いデータに2頭が浮上
ローテ・脚質・過去10年データなど
【人気傾向】“馬券内率100%”の圧倒的軸候補とは…… シュトラウスは人気>着順の可能性
【前走ローテ】ダノンマッキンリーに“馬券内率0%” ベゴニア賞勝ち馬が2戦2勝の好相性
【脚質傾向】前走上がり順位で取捨可能 スタミナと末脚を兼ね備えた2歳王者候補は……
【随時更新中】芸能人・著名人の予想まとめ
芸能人・予想家の本命&注目馬まとめ 「GI本命3連勝中!絶好調◎をチェック」
◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。