今週は中山競馬場で弥生賞ディープインパクト記念(芝2000m)が行われる。施行条件が皐月賞と同じということで、春のクラシック戦線を見据える有力馬の始動戦としてもおなじみの一戦だ。
ここでは、過去10年データからトロヴァトーレとファビュラススターにフォーカスしたデータを取り上げる。
◆【弥生賞ディープインパクト記念2024予想/追い切り診断】トロヴァトーレを上回る「S」の最高評価 「1週前追いズレ込みも問題なし」
目次
■トロヴァトーレの追い風となる「1.2.2.1」
2戦2勝のキャリアで臨むトロヴァトーレ。デビューから中山芝2000mにこだわったローテーションを歩んでおり、ここでも人気が予想される1頭だ。とはいえこれまで一線級のメンバー相手の対戦はなく、今回はオープンクラス勝ち馬が並ぶ。わずかな不安も囁かれるが、そんな声を払拭するデータがこちら。
・鞍上がC.ルメール騎手【1.2.2.1】
この条件での馬券内率は83%。1番人気馬の騎乗は1回にとどまっており、5番人気3着ダンビュライトなど人気薄の好走もある強力なデータだ。
トロヴァトーレについて補足すると、12~4月の中山2000mを上がり33秒台で勝った2~3歳馬はダイワメジャー、ドゥラメンテ、マカヒキとGI馬の輩出にいとまがない。父レイデオロとのコンビでダービージョッキーに輝いたC.ルメールが再び手綱を握るのも心強く、展開次第では“シンエンペラー斬り”も視野に入る1頭と言えるだろう。
■ファビュラススターに立ちはだかる【0.0.0.9】
トロヴァトーレとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがファビュラススターだ。2戦2勝のキャリアは前述のトロヴァトーレとまったく同じ。前走勝ち時計はこちらのほうが速いことから注目を集めている1頭だが、今回は血統面に関する不安要素が浮上してしまう。
・父ロベルト系の成績【0.0.0.9】
馬券内ゼロの“0%データ”に抵触。のちの重賞ウイナーであるラーグルフやエアアンセムも好走は叶っておらず、昨年は単勝オッズ7倍台に支持されたレヴォルタードも掲示板外に敗れている。過去10年の弥生賞×父ロベルト系は“相性最悪”と言える組み合わせだ。
この馬が前走負かしたコスモキュランダ、フォルラニーニはいずれも前走重賞8着馬。クラスの壁にぶつかった馬がすんなり巻き返した一戦だが、厳しい要求をするのであればもう少し差をつけて勝ってほしかったというのが本音だ。メンバーレベルが一気に上がるここでの好走は至難の業と言えるのかもしれない。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。