今週は、下半期のダート頂上決戦、第25回チャンピオンズC(GI、ダ1800m)が中京競馬場で行われる。
この一戦が引退レースとなる昨年の覇者レモンポップをはじめ、JBCクラシックを制したウィルソンテソーロ、フェブラリーS覇者ペプチドナイルといったGI馬や、シリウスS連覇のハギノアレグリアス、コリアC連覇のクラウンプライド、地方大井からは南関東三冠馬のミックファイアなど、ダート界の猛者が集結。見応えのあるレースとなりそうだ。
そんな中、唯一の3歳馬サンライズジパングが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
◆【チャンピオンズカップ2024予想/全頭診断】武豊騎乗サンライズジパングは「0.0.0.8」で“消し” 騎手トレンドで「2.1.1.0」該当馬が浮上
目次
■GI実績が乏しく、血統面でも厳しい戦いとなるか
春は皐月賞、ダービーとクラシック路線を歩んだサンライズジパングだったが、秋はダート路線にシフトチェンジすると盛岡の不来方賞で重賞初制覇。ジャパンダートクラシックで3着に好走し、前走みやこSでは鮮やかな差し切り勝ちを収め、初対戦となった古馬を撃破。勇躍、ダートの頂上決戦へ駒を進めてきた。
過去10年のチャンピオンズCで、年齢別の成績を見てみると、3歳は【2.2.2.12】で連対率・複勝率が世代別でトップ。一見すると歓迎すべき数字に見えるが、馬券圏内に入った6頭の成績を見てみると、勝ち馬2頭はいずれもすでにGI勝ちの実績あり。残る4頭中3頭は、すでにGI(芝を含む)で連対を果たしており、同世代の頂上決戦で結果を残しているような馬でないと古馬と相まみえる最強馬決定戦では太刀打ちできない。
サンライズジパングは、2歳時のホープフルSで3着、ジャパンダートクラシックでも3着。芝ダート二刀流でGIでも好走歴を演じているが、帯に短し襷に長し。現時点ではやや中途半端さも感じられる。また前々走ジャパンダートクラシックでは、3歳の最強馬フォーエバーヤングに1秒2と大差をつけられており、3歳馬の代表としては、やや物足りない実績だ。
血統面でも、芝ではGI5勝を誇るキズナ産駒だが、ダート戦線では分が悪い。重賞勝ちは、サンライズジパングと今回出走するハギノアレグリアスを含め2頭(3勝)のみで、GI・GIIの勝利はない。その父であるディープインパクトも、産駒のダート重賞勝ち馬は2011年レパードSを勝ったボレアス1頭のみ。地方交流重賞を含めても、18年JBCレディスCを勝ったアンジュデジールと合わせて2頭だけだ。総じて、ディープ系のダートでの成績は良くない。
鞍上の武豊も、前身のジャパンカップダートでは4勝と相性抜群の一戦だったが、チャンピオンズCに変わってからは【0.1.2.5】と未勝利な点も気がかりな材料。今年からダート三冠路線が整備され、その元年に3歳馬が活躍してほしいところではあるが、サンライズジパングにそこまで背負わせるほどの実績は乏しく、血統面からも厳しい戦いを強いられそうだ。鞍上込みで人気を集めるようであれば妙味は薄いと考え、今回は思い切って「消し」でいってみたい。
チャンピオンズカップ2024 予想コラム一覧
特集
◆【特集】出走予定・枠順、予想オッズetc. 「レモンポップが連覇に挑む」お役立ち馬券攻略ガイド
◆【一覧】芸能人・予想家の「チャンピオンズカップ2024」本命・注目馬予想まとめ GI連勝中!気になる本命◎は?
◆【一覧】「チャンピオンズカップ2024」大口投票パトロール 金曜前売りからレモンポップ単勝“110万円”で開幕 「8人気以下」の伏兵にも高額あり
◆【回顧】ドウデュースを導いた武豊の「リスキーな判断」 オーギュストロダンら外国馬惨敗は“競技の違い”が背景に
追い切り評価
◆【追い切り診断】前走から“ガラリ一変の動き”で最高評価「S」 重苦しさなく「盤石の態勢」へ
◆【追い切り診断】リベンジ狙う一角に“高評価” 鞍上の意のまま、心身充実で「昨年とは段違い」
◆【追い切り診断】勝って勢い乗る実力馬に「B」の辛口評価 「押っつけ気味の平凡な伸び」に精神面懸念
データ分析・過去10年傾向
◆【データ攻略】レモンポップとサンライズジパングの「買い or 消し」 引退の花道か、下剋上か……その判断は
◆【全頭診断】武豊騎乗サンライズジパングは「0.0.0.8」で“消し” 騎手トレンドで「2.1.1.0」該当馬が浮上
◆【枠順】レモンポップは「2.1.0.0」で鉄板級の好枠 伏兵扱いで“馬券内率41.7%”の妙味ありの馬は?
◆【高配当メソッド【3人気以内が「必ず連対」も単勝1倍台が馬券外、穴馬激走で“3連単190万馬券”など波乱あり
◆【血統展望】「5.1.0.1」でレモンポップ斬りへ GI馬輩出の“トレンドの血”で下剋上へ虎視眈々
◆【前走ローテ】レモンポップは「1.1.0.0」で鬼に金棒 “4角4番手以内”なら好走期待の3歳馬
◆【チャンピオンズカップ2024予想】過去10年のレース結果・配当・血統まとめ 傾向分析に使えるお役立ちデータ
穴馬予想
◆【穴馬アナライズ】ウィルソンテソーロが人気なのに……「競馬ファンのトラウマ」が引き上げる“2桁”オッズに妙味
◆【穴馬アナライズ】大敗は「理由ありき」の反抗 レモンポップが牽引の展開で再浮上の想定“8人気”前後
チャレンジカップ・ステイヤーズステークス 予想コラム一覧
◆【チャレンジカップ2024予想】過去10年のレース結果・配当・血統まとめ 傾向分析に使えるお役立ちデータ
◆【ステイヤーズステークス2024予想】過去10年のレース結果・配当・血統まとめ 傾向分析に使えるお役立ちデータ
◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。