第25回チャンピオンズC(12月1日/GI、中京ダ1800m)には、ラストランとなるレモンポップ、フェブラリーS覇者のペプチドナイル、3歳馬サンライズジパングなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ハギノアレグリアス」を取り上げる。
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■ハギノアレグリアス
【中間調整】昨年のシリウスSを制しJRAの重賞を初制覇。その後ムラな面はありつつコンスタントに駆け、今年もシリウスSにエントリーした。そのシリウスSはハンデ戦でハギノアレグリアスの斤量は2023年の58.5キロから1キロ増の59.5キロの酷量。しかし本番では中団の前、ラチ沿いで1列前を行く人気馬オメガギネスを見ながらじっくり脚を溜めると、直線入口で若干ゴチャついたのも苦にせず、先に抜け出したオメガギネスをスパッと差し切り1馬身1/4馬身差の完勝を収めた。
昨年同様、シリウスSを叩いてチャンピオンズCに進むのは予定通り。短期放牧を挟んで日曜追い→水曜追いで交互にメリハリをつけ、順調に追われている。2週前の時点でこの馬としては速い坂路4F52秒1(強め)をマーク。1週前追いは稽古駆けする馬にわずかに遅れたが、坂路4F52秒2(一杯)を出した。ここでしっかり負荷を掛けたことを評価できる内容でもあった。
【最終追い切り】1週前に併せ馬でしっかり追われており、レース当週は鞍上との呼吸を合わせることに主眼を置いたような内容。馬場が荒れた時間帯にも関わらず、ブレの少ないシャープなフォームで登坂し、ラストは前方にいた他厩舎の馬を目標にする形で気持ちを乗せスパッと切れた。時計は平凡でも、加速ラップを踏めていたのはいい。
【見解】中間の調整は快勝した前走時のパターンをきっちり踏襲。最終追いは鞍上の意のままに動けていたし、ラストで他厩舎の馬を視界に入れたあたりは鞍上がこの馬の心身の充実ぶりを感じ取ったからこそだろう。仮にメンタル面、体調面でなんらか不安があるのなら、進路を調整するなどして疑似併せ馬の形にしないはずだ。中京では【3.1.0.1】。着外の1が昨年のチャンピオンズCで0秒8差6着に終わっていたが、そのレースは明らかにデキ落ちで臨んでおり、枠なりに外々を回らされる不利もあった。今回は状態面で段違いだし、枠もいい。前走の再現とばかり、内々で脚を溜め、抜け出したレモンポップを捕らえる……そういう青写真を岩田望騎手は描いているかもしれない。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。