今週は東京競馬場でGI・安田記念(芝1600m)が行われる。
ヴィクトリアマイルの圧勝劇が記憶に新しいグランアレグリアが参戦する今年。この記事ではデータ面から安田記念を紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
■連覇を狙うグランアレグリアに死角はあるのか
前走ヴィクトリアマイルは「調教代わり」との表現が大げさではない楽勝。同一レースの連覇を狙い勇躍参戦をはたすグランアレグリア。
自身初の叩き3戦目かつ間隔の詰まったローテが不安視される同馬。ここでは不安を一掃するようなデータをご紹介したい。
・牡馬混合GIで馬券内実績がある牝馬【1-3-1-0】
グランアレグリアのほか、アーモンドアイ、アエロリットが該当。2年連続馬券内のアエロリットは断然人気と言える支持ではなかったにもかかわらず大崩れしておらず、データの信頼度がうかがえる。
アーモンドアイをはじめ勝ち切れないケースが目立つ点は少々気になるところだが、馬券内率100%は立派。データ面でこの馬の死角を見つけるのは至難の業だ。
■サリオスの鬼門は「距離短縮GI連対馬ゼロ」のハーツクライ産駒
2歳時に朝日杯FSを勝利。3歳クラシック戦線でも皐月賞→日本ダービーと連対をはたし世代トップクラスを証明したサリオス。
近走は5着が続いているが、今回の舞台は2戦2勝の東京マイル。打倒グランアレグリアの1番手と目される同馬に立ちはだかるマイナスデータがこちら。
・400m超の距離短縮で芝GI参戦のハーツクライ産駒【0-0-1-18】
大幅な距離短縮×芝GI。この組み合わせにおけるハーツクライ産駒はパフォーマンスを発揮しきれない傾向にあるのだ。
この数字もそうだが、グランアレグリアに先着された近走は現状の力差を感じる内容。陣営も大阪杯のダメージや帰厩後の調整過程について後ろ向きなコメントを発しており、不安要素は尽きない。後編ではデータ面から浮上するオークスの穴馬候補2頭を紹介する。
■安田記念2021予想コラム一覧
▼データ予想
◆【後編・穴馬】想定10人気以下、グランアレグリアに先着実績がある伏兵に「2-0-1-1」の“買い”要素
▼穴馬予想
◆【前編・有力馬アナライズ】グランアレグリアを負かすのは“前”、シュネルマイスターは危険な人気馬
◆【後編・/穴馬アナライズ】単勝オッズ10倍以上に伏兵ゴロゴロ、うち1頭は「大金星まであっていい」
▼追い切り予想
◆【安田記念2021/有力馬】グランアレグリア「A」評価も、動きからみた「2つの不安要素」とは
◆【安田記念2021/有力馬】グランアレグリアを上回る「S」評価、目下最高潮の仕上がりで「文句なし」
◆【安田記念2021/有力馬】サリオスは辛口評価「B」、前走のダメージで体調が優れず「迫力不足」
▼その他、データ傾向
◆【安田記念2021/騎手データ】伏兵騎乗で“鬼”と化す、グランアレグリアのC.ルメールを脅かす穴ジョッキー
◆【安田記念2021/世代別傾向】インディチャンプは「消し」、近3年で6歳以上は【0-0-0-15】と大不振
◆【安田記念2021/人気傾向】グランアレグリアは“連軸”評価、2番人気は不振で狙いは7~9番人気
◆【安田記念2021/前走ローテ】グランアレグリアは2着まで? Vマイルからの連勝は三冠牝馬も叶わず
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「安田記念データ分析」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。