26日、阪神競馬場で宝塚記念(GI、芝2200m)が行われる。天皇賞・春の勝ち馬タイトルホルダーを筆頭に、昨年の有馬記念を制すなどGI3勝をマークしているエフフォーリアや、今年の大阪杯を制したポタジェ、2020年の牝馬三冠を達成したデアリングタクトに加え、海外GIを制したパンサラッサも参戦する。
◆【宝塚記念2022予想/穴馬アナライズVol.2】想定“8人気”前後の盲点 「明らかに過小評価の1頭」
過去10年の1番人気は【3-2-1-4】で勝率は30%と悪くない数字だが、17年には単勝オッズ1.4倍と圧倒的な支持を集めたキタサンブラックが9着、15年には単勝オッズ1.9倍の支持を集めたゴールドシップが15着に大敗。昨年は1番人気のクロノジェネシスが勝利したものの、1番人気馬の勝利は実に7年振りだったように信頼度はそこまで高くはない。
2番人気は【2-1-2-5】と1番人気と遜色ない成績。、3番人気は【2-0-0-8】と2勝を挙げているが凡走が多く、上位人気でも狙いづらくなっている。連対馬20頭中10頭が1-3番人気の馬が占めているが、残る10頭は5番人気以下と伏兵の台頭も目立っている。過去10年の3連単平均配当が16万超となっていることから、今年も波乱含みの一戦となりそうだ。
今回、宝塚記念の「危険な人気馬」として取り上げるのは、長距離GIで2勝を挙げているタイトルホルダーだ。
■春天勝ち馬に立ちはだかる壁
前走の天皇賞・春では2着の重賞4勝馬ディープボンドに7馬身差をつける圧勝。序盤はペースを緩めず後続を離す逃げに徹したが、道中にしっかりと息を入れて後続を引きつけると最後の直線では再加速し、追走するテーオーロイヤルらを一気に引き離し独走に持ち込んだ。この勝利で菊花賞に続くGI2勝目となり長距離ではまさに敵なしといったところだろう。
しかし、今回不安材料が2点ある。それは、「天皇賞・春で優勝したこと」と「同型の存在」だ。
まずは「天皇賞・春で優勝したこと」について述べる。前走のレース別成績を見てみると、
・前走レース
└天皇賞春/【4-3-2-30】
勝率10.3%、複勝率23.1%
└大阪杯/【2-1-1-10】
勝率14.3%、複勝率28.6%
└鳴尾記念/【1-3-1-15】
勝率5.0%、複勝率25.0%
└ドバイシーマC/【1-1-2-6】
勝率10.0%、複勝率40.0%
└QE2世C/【1-1-0-4】
勝率16.7%、複勝率33.3%
└目黒記念/【1-0-1-13】
勝率6.7%、複勝率13.3%
└ヴィクトリアマイル/【0-0-3-5】
勝率0.0%、複勝率37.5%
このように、天皇賞・春からの臨戦自体は【4-3-2-30】という成績で、これまで9頭が馬券圏内に好走している。しかし、天皇賞・春での着順別の成績を見てみると、勝ってここに挑んできた馬は【0-0-1-4】と好走したのは2016年の3着馬キタサンブラック1頭のみ。2着馬は【0-0-0-5】、3着馬【0-0-0-5】と天皇賞・春で馬券圏内に好走した馬が連続好走することは非常に難しい結果となっている。
対して、馬券圏外に敗れてしまった馬の成績を見てみると、4着馬が【1-0-0-2】、5着馬【1-0-0-3】、6-9着馬【1-2-1-7】、10着以下【1-1-0-4】と、天皇賞・春で馬券圏外に敗れた馬による巻き返しが可能なレースなのだ。
これまで、キタサンブラック、ゴールドシップ、フェノーメノ、ビートブラックら名立たる名馬が天皇賞・春で快勝後に宝塚記念で後塵を拝しているのだ。前走から1000mの距離短縮となることに加え、他馬との適性の差も影響しているのだろう。前走は非常に強い勝ち方だったとはいえ、数々の名馬が乗り越えられなかった壁がある事には一抹の不安を感じてしまう。
つぎに「同型の存在」について説明したい。今回、強力な同型パンサラッサも参戦するのだが、パンサラッサといえばハイペースで馬群を引き離す逃げを手法としている。そこで今回と同じ非根幹距離で、この2頭が逃げたときのラップを比較してみる。
・タイトルホルダー(2022年日経賞1着)
└6.9-12.0-12.6-12.6-12.7-13.4-13.4-12.8-12.3-12.0-11.7-11.2-11.8
・パンサラッサ(2021年有馬記念13着)
└6.9-11.3-11.6-11.5-11.9-12.5-12.6-12.2-12.4-12.4-12.2-12.0-12.5
これを1600m通過で計測すると、タイトルホルダーは1分42秒6で通過し、パンサラッサは1分36秒7で通過している。
このことからもテンの速さや刻むラップはパンサラッサの方が速く、今回もパンサラッサがハナを主張するだろう。タイトルホルダーは番手でも結果を出したことがあるため、離れた2番手を追走することになるだろうが、今回は同じ先行脚質のオーソリティーも参戦している。つまり、前も気にしつつ、後ろから迫りくるオーソリティーら番手の馬へのフォローも必要になってくるのだ。あのキタサンブラックが古馬になって唯一大敗した2017年のように馬がプレッシャーを感じてしまい、怯んでしまう可能性も十分にあるため、今回の人気は好走の可能性と比例しないのだ。
以上の不安点から、ここは馬券的な妙味も考え、人気一角のタイトルホルダーを「消し」とする。今年のメンバー構成と道中のペースをイメージすれば、展開不問で自在な脚質を持っているヒシイグアスを中心に、オーソリティー、デアリングタクト、エフフォーリア、ステイフーリッシュら、ある程度のポジションから競馬ができ、ハイペースでも瞬時に反応ができる馬を上位に評価したい。
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文・西舘洸希(SPREAD編集部)














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