■タイトルホルダー
【中間調整】前哨戦の日経賞が辛勝だったことからか、前年の菊花賞ウィナーながら2番人気に留まっていた前走の天皇賞・春。しかし蓋を開けてみれば主導権を握り絶妙なペースメイクで後続に脚を使わせ、最終4角からは完全な独走劇から結局7馬身差の大圧勝を収めている。その後、馬にまったく問題がなかったことから、5月4日と早い段階で管理する栗田師が次走を宝塚記念とすることを表明した。放牧でじっくり英気を養った後、6月1日に美浦へ帰厩。3日に坂路でラスト2F12秒7-12秒7(馬なり)と素軽く動き、リフレッシュ効果をアピールしている。1週前追いには主戦・横山和騎手が騎乗し、ウッドで調整。大きく前に僚馬を行かせて、これを抜きに行かずタメる意識を確認させる内容だったが、前向きさと落ち着きが同居したいい雰囲気で駆け抜け、5F64秒5(馬なり)と楽に自己ベストを更新する時計を叩き出している。
◆【宝塚記念2022予想/追い切り診断】有力馬にまさかの「B」評価 「本来の迫力を取り戻せていない」
【最終追い切り】最終追いもウッドで行われ、横山和騎手が騎乗。終い重点で、今回は先導役に並びかける併せ馬。まったく楽な手応えを保ったまま相手にスッと取り付いていく。道中は鞍上とピタッと折り合えており、ラストの手応えも申し分なし。併入フィニッシュだったが、少しでも仕掛ければ突き抜けそうな雰囲気にあった。
【見解】前走3200mのGIで圧勝。少なからずダメージがありそうなものだが、成長、充実ぶりで相殺以上。帰厩後は前走時以上に躍動感のある動きを見せている。中間は前に馬を置くことを想定した稽古もこなしており、今回想定される控える競馬への対策も万全。2番手で進み5着に終わってしまった有馬記念の借りを返したい、という意欲がヒシヒシと感じられる。攻め気配は文句なし。
総合評価「S」
◆【宝塚記念2022予想/追い切り診断】人気一角の実績馬に「A」評価 前走“メイチ”から「高値安定」
◆【宝塚記念2022予想/追い切り診断】連勝中の上がり馬に高評価「A」 「心身ともに充実一途」
宝塚記念2022予想コラム一覧
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】単勝オッズ“2桁”の刺客 「一発があるとしたらこの馬」
◆【穴馬アナライズVol.2】想定“8人気”前後の盲点 「明らかに過小評価の1頭」
◆【穴馬アナライズVol.3】馬券内で“万馬券”射程 「覚醒した古豪が大穴を開ける」
◆【危険な人気馬】人気一角のGI馬は“消し”評価 「馬がプレッシャーを感じてしまう」
▼データ予想
◆【データ攻略-前編】タイトルホルダーとエフフォーリアに明暗、勝率“ゼロ”と“60%”とは
◆【データ攻略-後編】2強の牙城を崩す実績馬、馬券内率“100%”が強力な追い風に
◆【騎手データ】明暗分かれる人気騎手 狙うべき熱いパターンに合致するジョッキーとは
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】タイトルホルダーは3枠6番、エフフォーリアは2枠4番 人気馬は勝率ゼロの“鬼門”に
◆【血統傾向】条件合致で「連対率8割越え」 想定“10人気”前後の伏兵
◆【脚質傾向】タイトルホルダーに“不安”材料 「連対率100%」は上がり最速馬
◆【前走ローテ】タイトルホルダーとエフフォーリアに“暗雲” 本命にすべきは伏兵とは
◆【人気傾向】中心はタイトルホルダーかエフフォーリアか “堅軸”は4歳馬の1、2番人気
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。