■ソダシ
【中間調整】前走のヴィクトリアマイルが、正攻法から抜け出す強い内容での勝利。GI勝ちを3に延ばした純白の女王が、この札幌記念へ連覇を狙い参戦してくる。放牧先から7月21日に直接函館競馬場に入り、昨年同様現地のウッドコースと芝コースを併用した調整。入厩当初は運動でじっくりとケアを施され、初時計だった26日のウッド併せ馬でさっそく併走相手をアオる動きを披露した。昨年よりもいい時計を出せており、リフレッシュ効果と肉体面の強化ぶりがうかがい知れる。8月10日の1週前追いには不動の主戦・吉田隼人騎手が騎乗。ウッドコースで2頭の後ろでじっと我慢させる内容となり、2頭それぞれにクビほど遅れての入線となったが、ギリギリまで仕掛けを我慢したことを考えればまったく問題ない。
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【最終追い切り】最終追いは函館芝コースで吉田隼人騎手を背に3頭併せ。2頭の後ろで我慢させる調整で、コースも目標とした相手2頭も異なるものの、1週前のVTRかと思わせる内容となった。しかし最後は大きく異なり、外に進路を切り替えてから“瞬間移動”とも思える鋭さでパスし、それぞれを2馬身突き放しての先着を果たしている。
【見解】須貝厩舎流のハードトレーニングに応えることのできる心身のタフさが、この馬の強さの源泉。今回の帰厩後も併せ馬4本を消化し、近2週は精神面を鍛える3頭併せをしっかりこなした。昨年の札幌記念時は速い時計を出すのは週なか水曜だけだったが、今回は日曜追いでもある程度速い時計を出しており“年齢を重ねたから、もう強い攻めは不要”という姿勢がないのも好感。最終追いで見せた鞍上との意思疎通ぶり、反応の鋭さともども文句の付けようがない。絶好の気配。
総合評価「S」
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西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。