■スタニングローズ
【中間調整】オークスは10番人気ながら2着に激走。いわゆる“バラ一族”の良血馬が大舞台で結果を出した。その後は秋華賞での逆転戴冠を狙い、まずは9月10日の紫苑Sで腕試し。マイペースで逃げ、勝ちパターンに持ち込んでいたサウンドビバーチェをゴール寸前でねじ伏せ勝利をモノにしている。その後はノーザンファームしがらきで短期放牧。久々のレースが激戦となった反動をしっかりケアし、本番の秋華賞に向け再鍛錬が施されたようだ。9月30日に栗東へ戻り、2日に坂路でさっそく併せ馬を消化できたあたり、体調は上々のよう。坂路での1週前追いでは坂井騎手が騎乗し、終いにビッシリ追われてラスト2F12秒8-11秒9(一杯)と出色の伸びを見せた。そして日曜追いでは同じレースに出走するナミュールと軽めの併せ馬を行い、闘志を切らさないようにする方策もばっちり。
◆【秋華賞2022予想/騎手データ】条件合致で食い込みに警戒も 軸は“単勝回収率233%”の名手
【最終追い切り】牧場、そして中間の調整と万事万端に進んでおり、最終追いは少ない負荷でOK。とはいえ高いモチベーションを感じさせ、ブレなく集中して登坂すると、ラストはごく軽い扶助だけで機敏にギアを上げ、スパッと切れた。ラスト2F12秒8-11秒9は1週前追いと同じ数字だが、馬場は今週の方が荒れており負荷は今週のほうが軽かった。充実一途と言っていい。
【見解】前走の反動が気になる状況だったが、馬体重プラス14キロと余裕残しで臨んだ分そこまでのダメージとならなかったようだ。帰厩後のキビキビした動きからは、使った上積みだけしか感じられない。単走ではしっかり折り合えており、2本あった併せ馬ではいずれも相手以上の動き。中間はやるべきことを全部やり切れている感がある。ローズSからの中3週ではなく、紫苑Sからの中4週を選択した判断はまさに吉と出そう。充実一途で、絶好の攻め気配。
総合評価「S」
▼その他、追い切り診断
◆【追い切り診断】上位人気の一角に低評価「B」 「仕上がりに不安を感じる」
◆【追い切り診断】好気配の重賞馬に高評価「A」 「攻め気配には非の打ち所がない」
◆【追い切り診断】“完成は秋”を目標とされた伏兵に「A」の高評価 「かなりいい状態にありそう」
秋華賞2022予想コラム一覧
▼穴馬予想
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◆【危険な人気馬】非凡な瞬発力を持つ人気馬は“消し”評価 「舞台替わりはプラスではない」
▼データ予想
◆【データ攻略-前編】スターズオンアースに追い風も、牝馬三冠の阻止を狙う「勝率100%」の人気馬とは
◆【データ攻略-後編】“波乱の使者”候補は想定10人気前後 「馬券内率100%」が強力後押し
◆【騎手データ】条件合致で食い込みに警戒も 軸は“単勝回収率233%”の名手
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】スターズオンアースとアートハウスの5枠は勝率“0%” 狙いは「馬券内率5割の好枠」
◆【血統傾向】想定“8人気”前後に照準 条件合致で「馬券内率4割」超えの非サンデー系
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◆【前走ローテ】最多4勝のオークス直行組が中心も、“大穴”が潜むトライアル組
◆【人気傾向】牝馬三冠は“単勝オッズ”がキーワード 2人気は勝率0%の鬼門
◆【動画プレーバック/秋華賞2021】4番人気アカイトリノムスメが最後に末脚を伸ばし2着に半馬身差をつけラスト一冠を制す
著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。