12日(日本時間13日)、ワシントン州シアトルで今季のMLBオールスターゲームが開催される。その前日には、毎年恒例のホームランダービーも予定されており、徐々に出場選手が明らかになっている。
スラッガーたちの競演はファンに大盛況だが、一日がかりのトーナメント形式は負担も大きく、レギュラーシーズン後半に成績を落とす選手が後を絶たないのも現実だ。
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■21年出場の大谷は、後半戦失速
過去5年間(未開催2020年は除く)のホームランダービー優勝者をオールスター前後で比較すると、故障も併発した17年のアーロン・ジャッジの成績低下が際立っている。ジャッジはこの年を境に出場を辞退し続けており、影響の大きさを窺わせた。
また、21年出場の大谷翔平は1回戦で敗れたものの、2度の延長戦を戦い疲労困憊。シーズン後半に調子を落とし、惜しくも本塁打王を逃している。18年のブライス・ハーパーのように成績を伸ばしたケースもあるが、大きな負担となるのは疑うまでもないだろう。
辞退者が相次ぐ一方で、ニューヨーク・メッツの主砲ピート・アロンソのように、毎年ホームランダービーに全精力を注ぐ“例外”も存在する。控室で俯き、集中力を高める姿は異様にさえ映るほど。昨季はア・リーグ新人王、シアトル・マリナーズのフリオ・ロドリゲスに準決勝で敗れ、心底落胆した表情が印象的だった。
今季メジャートップ30本塁打の大谷は、前回に続いて出場辞退が濃厚と報じられている。スーパースターが集う一大イベントが、シーズン後半への足枷になるようでは本末転倒だ。本塁打王争い上位陣が勢ぞろいする真の「ホームランダービー」を実施するためにも、選手の負担が大きい現在のルールに固執することなく、柔軟な改正を望みたい。
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文●有賀博之(SPREAD編集部)