今週は東京競馬場で、第43回ジャパンC(GI、芝2400m)が行われる。外国馬の参戦は1頭にとどまったが、日本を代表するスターホースが勢揃いの今年。雌雄を決する戦いにふさわしい豪華メンバーが秋の府中に相まみえる。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。
◆【ジャパンカップ2023予想/枠順】1枠2頭は盤石か。「0.0.1.26」の“鬼門データ”該当は……
目次
- 1 ■ジャパンカップ2023 出走予定馬全頭診断
- 1.1 ・1枠1番 リバティアイランド
- 1.2 ・1枠2番 イクイノックス
- 1.3 ・2枠3番 タイトルホルダー
- 1.4 ・2枠4番 スタッドリー
- 1.5 ・3枠5番 ドウデュース
- 1.6 ・3枠6番 フォワードアゲン
- 1.7 ・4枠7番 イレジン
- 1.8 ・4枠8番 パンサラッサ
- 1.9 ・5枠9番 ヴェラアズール
- 1.10 ・5枠10番 ダノンベルーガ
- 1.11 ・6枠11番 トラストケンシン
- 1.12 ・6枠12番 チェスナットコート
- 1.13 ・7枠13番 クリノメガミエース
- 1.14 ・7枠14番 ディープボンド
- 1.15 ・7枠15番 ショウナンバシット
- 1.16 ・8枠16番 インプレス
- 1.17 ・8枠17番 スターズオンアース
- 1.18 ・8枠18番 ウインエアフォルク
- 2 ジャパンカップ2023 予想コラム一覧
- 3 著者プロフィール
■ジャパンカップ2023 出走予定馬全頭診断
・1枠1番 リバティアイランド
牝馬三冠馬がジャパンカップに参戦。かつてはジェンティルドンナ、アーモンドアイが勢いそのままに勝利を収めており、3歳牝馬のポテンシャルを軽く扱うことはできない。ウッドでの最終追い切りは馬なりでラスト2Fめが11秒2、ラスト1Fは11秒0。阪神JF、オークスと同じレース間隔で臨める点に加えて状態面の上積み、斤量54キロならイクイノックスと互角の勝負になりそうだ。
・1枠2番 イクイノックス
日本を飛び越え、世界最強の称号を手にした現役最強馬。軽く仕掛けられただけでレコード勝ちの前走天皇賞・秋はその称号に恥じない圧巻のレースぶりだった。過去10年のジャパンカップにおいて、前走天皇賞・秋かつ前年秋にGI勝利の4歳馬は【4.1.0.0】。この馬自身最短のレース間隔で臨む点が数少ない不安材料と言えるが、それでも大崩れするシーンは想像しにくい。
・2枠3番 タイトルホルダー
昨年はGIを連勝、凱旋門賞にも参戦した馬。それを思うと今年のパフォーマンスはやや物足りない印象だが、有馬記念は凱旋門賞帰りと良績に乏しい冬競馬、2走前の天皇賞・春は競走中止のアクシデント、前走オールカマーは坂路改修工事の影響で普段とは異なる調整を強いられていた。翻って、今回は新坂路で順調に乗り込みを消化。馬番6番以内の成績は【5.2.0.1】馬券外は競走中止のレースに限定されており、前に残る1頭をチョイスするならこの馬一択だ。
・2枠4番 スタッドリー
3勝クラス以上の左回りは【0.0.0.3】。狙うなら右回りだろう。
・3枠5番 ドウデュース
国内では馬券内100%を誇っていたが、前走天皇賞・秋でまさかの惨敗。久々の実戦かつ、日本レコードが飛び出した展開を先行したことが裏目に出たようだ。パンサラッサ、タイトルホルダーがいる今回は消耗戦が予想されるが、2歳時はマイルを使われていた馬。キャリアを重ねて距離適性が書き換わった可能性は否定できず、ロスなく立ち回った際の3着が精いっぱいか。
・3枠6番 フォワードアゲン
重賞では【0.0.0.6】と厚い壁に跳ね返されている現状。厳しい。
・4枠7番 イレジン
過去10年のジャパンカップにおいて、外国馬の成績は【0.0.0.27】。持ち時計も乏しく、苦戦は免れられないか。
・4枠8番 パンサラッサ
早くも逃げ宣言が飛び出している馬だが、芝2200m以上では【0.0.0.3】掲示板内ゼロ。勝負圏内突入は至難の業と言えそうだ。
・5枠9番 ヴェラアズール
昨年のこのレース勝ち馬。当時のメンバーは近年の基準ではハイレベルとは言えなかったが、狭いところから抜け出した脚は際立っていた。直線の長い急坂コースは【4.0.1.0】。騎乗予定だったR.ムーアが乗れない点はマイナスだが、何らかの印は必要か。
・5枠10番 ダノンベルーガ
昨年からGIで善戦を続ける馬。戦ってきた相手はかなり強力で展開次第では……と言いたくなるところだが、距離延長ローテは【0.0.0.4】と不振傾向にある。札幌記念→天皇賞・秋の臨戦過程から前走がメイチ仕上げの可能性が高く、前進するためのハードルが高いか。
・6枠11番 トラストケンシン
フタ桁着順が続く現状。厳しい。
・6枠12番 チェスナットコート
地方競馬でも掲示板外が目立つ馬。厳しい。
・7枠13番 クリノメガミエース
中央場所での馬券内は新馬戦に限定。厳しい。
・7枠14番 ディープボンド
GIで4度の2着がある実力馬。その実績はここでも引けを取らないが、2度使われた左回りはいずれも馬券外に敗れていた。過去に連対実績がある右回りの有馬記念に向けた叩き台と捉えたい。
・7枠15番 ショウナンバシット
2度の関東遠征はいずれも馬券外。強調材料は乏しい。
・8枠16番 インプレス
2度使われたGIIはいずれもフタ桁着順。GIのメンバー相手では分が悪い。
・8枠17番 スターズオンアース
デビュー以降、いまだに馬券外がない安定株。オークスを制した舞台なら条件に不足はないが、一頓挫があって天皇賞・秋を回避した影響は気がかりだ。過去10年のジャパンカップにおいて、8枠の成績は【0.0.1.26】。1枠に入った2頭が超強力である点から、連対圏突入は容易ではない。
・8枠18番 ウインエアフォルク
3勝クラスですら馬券内がない現状。厳しい。
ジャパンカップ2023 予想コラム一覧
馬券攻略ガイド
◆「イクイノックスvs.リバティアイランド」追い切り評価は『S』と『B』の明暗 枠順・予想オッズ、過去10年データ傾向etc.
騎手データ
◆【騎手データ】リバティアイランドの川田Jまさかの“勝率ゼロ” 世界最強馬のGI6連勝濃厚か
追い切り評価
◆【追い切り診断】イクイノックスを上回る「S」の最高評価 「これ以上考えられない仕上がり」
◆【追い切り診断】イクイノックスに辛口「B」評価 前走の反動か……「調教ラップに一抹の懸念」
◆【追い切り診断】リバティアイランドに迫る高評価「A」で急上昇 「本来のどっしりとした迫力」
◆【追い切り診断】“復調サイン”ドウデュースと並ぶ高評価 「GIで勝ち負けを意識できるレベル」
データ攻略
◆【データ攻略】有力ハーツクライ産駒は“消し”も 「80%」該当馬に漂う3着穴妙味
◆【データ攻略】タイトルホルダーに「連対率87 or 0%」条件発動 GI3勝馬の明暗は
11/25~26 重賞全頭診断
◆【京阪杯】「3.0.0.0」条件発動の穴馬 トウシンマカオは“バッサリ切る”選択肢も
◆【京都2歳ステークス】人気一角に「8.3.1.1」 当舞台向きの機動力と決め手を完備
穴馬予想
◆【穴馬アナライズ】「上昇度はナンバーワン、一角崩しの刺客」 単勝オッズ“15倍”以上の妙味
◆【穴馬アナライズ】「パンサラッサの大逃げ、持久力勝負ならば」 想定“8人気”前後の盲点
◆【穴馬アナライズ】「3着争いなら十分に圏内、相手に押さえるべき1頭」 前日“6人気”前後
◆【WIN5予想】リバティアイランド“消し”2頭厳選 WIN3は伏兵絡めて高配当狙い
◆【危険な人気馬】“消し”はイクイノックス世代の一角 「連対率0%」の厳しい現実
血統予想
◆【血統予想】想定6人気以下が「馬券内率50%超」 “2強”に割って入る穴馬候補
枠順データ
◆【枠順】人気サイドに「0.0.1.26」の暗雲も 2強は“完全互角”の好枠ゲット
ローテ・脚質・過去10年データなど
◆パンサラッサ出走に“ニヤリ”の陣営とは……「イクイノックスさえ脅かす存在」
◆【脚質傾向】先行×外国人騎手なら“鉄板級” 単複回収値「300以上」を狙える馬は……
◆【前走ローテ】スターズオンアースに「0.0.0.13」 2強以外に“馬券内率75%”
◆【人気傾向】イクイノックスと“セットで買いたい” 馬券内率50%、複回収値192超の穴馬とは……
【随時更新中】芸能人・著名人の予想まとめ
◆芸能人・予想家の本命・注目馬の予想まとめ「マイルCSの的中者は?」
UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月23日 18:02公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。