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■スルーセブンシーズ
【中間調整】今年3月の中山牝馬Sで重賞を初制覇。そこから3カ月半の休養を挟み、宝塚記念に駒を進めたが牝馬限定のハンデ重賞を勝ったばかりという立場で、戦前の評価は単勝オッズ55.7倍の10番人気に留まっていた。しかし実戦では最後方でイクイノックスをマークする形で進むと、直線ではいったん狭くなるシーンがあったものの、進路が開けてからは猛然と伸び、イクイノックスに冷や汗をかかせるクビ差2着に大激走した。その後は本年唯一の日本馬として凱旋門賞に参戦。このレースも後方からとなり、直線で前が壁になる場面がありながら最後は鋭く脚を使って0秒4差4着と健闘を果たしている。
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その後帰国検疫を経て、極端なダメージはなく、減った体の回復も順調なことから11月初旬に有馬記念への進出が決定した。11月30日にノーザンファーム天栄から美浦に戻り、12月3日に坂路2F27秒1-1F13秒3(馬なり)と軽快に加速したのが初時計。以降、坂路とウッドを併用するいつも通りの調整が進んでいる。7日にさっそくウッド5F65秒台をマークできているあたり、放牧先での心身のリカバリーがいかに順調だったかの証明だろう。ウッドでの1週前追いでは、強い前進気勢から速いラップを刻み、ラストもタレることなく仕掛けに応えて豪快な伸びを披露した。
【最終追い切り】レース当週もウッドで単走。まったくの楽走ながら、この日も序盤から高いモチベーションを感じさせるように速いラップを刻んでいく。直線では抜群の集中ぶりからシャープなフォームで加速し、ラストで促されると機敏に反応し駆け抜けた。フォームの安定感は1週前より向上しており、それでいて躍動感も抜群。
【見解】中山牝馬Sや宝塚記念でも攻め気配の良さは目立っていた馬だが、この中間はひと際目を惹く動きを見せている。欧州競馬で接戦を演じてからの帰国初戦とは思えない躍動感があり、気持ちもしっかり乗っているようだ。まったく無理せず速い時計を出せているあたりいったんは寂しくなった馬体がV字回復し、さらなるパワーアップを果たしたのかも。文句なしの好気配。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。