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【有馬記念/危険な人気馬】JC善戦の一角に“消し” 勝ち馬10/10の共通点に該当せず「決して頭勝負では狙えない」

 

【有馬記念/危険な人気馬】JC善戦の一角に“消し” 勝ち馬10/10の共通点に該当せず「決して頭勝負では狙えない」

今週は一年の総決算、第68回有馬記念(GI、芝2500m)が中山競馬場で行われる。

今年は、引退レースとなるGI3勝馬タイトルホルダーをはじめ、天皇賞・春覇者のジャスティンパレス、今年の皐月賞馬ソールオリエンスにダービー馬タスティエーラ、復権を期すドウデュースなど、GI馬9頭が出走を予定しており、グランプリに相応しい豪華なメンバーによって争われる。

そんな中、昨年の2冠牝馬スターズオンアースが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■同一年で未勝利&ミスプロ系が勝てない有馬記念

前走のジャパンCでは、イクイノックス、リバティアイランドには敗れたものの、3着に好走したスターズオンアース。今回はその両雄が不出走となり、必然的にジャパンC最先着馬として注目を集める存在となる。

近年の有馬記念で牝馬の活躍は目覚ましく、昨年まで4年連続で1頭は複勝圏内を確保。過去10年で、3勝2着2回3着2回と、牡馬に引けを取らない好走を見せており、GI2勝の本馬なら格の上でも十分太刀打ちできる。しかし、勝ち切れるかというと、そこまでの信頼感は置けない。

かつてはトウカイテイオーのように、1年ぶりのレースで勝利を飾るような劇的な出来事もあったが、基本的には一年の総決算で、その年に活躍した馬が勝つのがグランプリ。過去10年の勝ち馬は、すべて同一年に少なくとも1勝(クラスを問わず)はマークしていた馬で、複勝圏30頭中26頭が同様にその年に勝ち星を挙げている。つまり、勝ち馬10頭中10頭の共通点に、スターズオンアースは該当しないというわけだ。

デビューから11戦、3着以内を外していない堅実派のスターズオンアースだが、今年は未勝利の身。約1年半、勝ち星からは遠ざかっており、過去のデータから紐解くと、決して頭勝負では狙えない。

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また、昨年に引き続き、今年もドゥラメンテ産駒が活躍した一年。リバティアイランドの牝馬三冠を筆頭に、ドゥレッツァ(菊花賞)、シャンパンカラー(NHKマイルC)とGI5勝をマークした。スターズオンアースもその勢いにあやかりたいところだが、父ミスタープロスペクター系が有馬記念を勝ち切れない点も懸念材料。

ドゥラメンテの父キングカメハメハ産駒は、過去10年で【0.2.0.15】の成績で、2018年に1番人気に支持されたレイデオロも2着に敗れた。今年で3年連続参戦となるドゥラメンテ産駒タイトルホルダーも、過去2年はいずれも人気以下に敗れており、相性の悪さを物語っている。

有馬記念は、ディープインパクト系やロベルト系の産駒が大きく幅を利かせている舞台で、それらの血統から積極的に馬券を買いたいレース。スターズオンアースも善戦及ばず…というシーンが、今からでも目に浮かんできてしまうのだ。

過去10年の有馬記念で、【2.2.2.3】と抜群の相性を誇るルメール騎乗のスターズオンアースだが、直線の長いコースで中団後方から長くいい脚を使って伸びてくる脚質が特徴だけに、小回り中山コースも不向きな印象。牡馬相手のGIで勝ち切れていない点も、過去のグランプリを制した牝馬と比較すると見劣りしており、過剰な人気を集めるようなら妙味はないと考え、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。