明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、1月6日は中山競馬場で新年の名物重賞・中山金杯(GIII、芝2000m)が開催されます。
2008年と09年のレースを連覇したアドマイヤ「フジ」、ステイ「ゴールド」産駒のオーシャンブルー(14年)、ツクバアズマオー(17年)、ウインブライト(19年)、「キン」グカメハメハ産駒のラブリーデイ(15年)、ヤマカツエース(16年)と、新年や金(ゴールド)に関係がある馬が好走しやすいことも知られていますね。
今回は2002年の東京開催を除く00年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。
◆【中山記念2024予想/追い切り診断】マテンロウレオに迫る高評価で重賞初Vへ 「勝ち負け意識の攻め気配」
目次
■金杯男のM.デムーロ騎手で“乾杯”
今年の中山金杯に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは10騎手。各騎手のデータは次の通りです。
中山金杯で好成績を残す川田将雅騎手は不在ですが、特徴的なデータが算出されましたね。騎手の得意・不得意がはっきりしているため好成績な騎手を今年も狙うのが正解かもしれません。
まず取り上げるのが連対率50%を記録する金杯男のM.デムーロ騎手です。
2016年のフルーキー(1番人気3着)、20年のトリオンフ(2番人気1着)、23年のクリノプレミアム(7番人気2着)で3度の馬券絡みがありますね。昨年はクリノプレミアムで穴を開けていることから人気馬でも人気薄の馬でも頼りになる騎手です。
素の数値も優秀ですが、注目ファクターは前走の出走場所で、前走で西日本の競馬場に出走なら人気不問で【1.1.1.0】の連対率66.7%、複勝率100%です。
そんなM.デムーロ騎手が跨るのが京都開催のアンドロメダS2着をステップに参戦のマイネルクリソーラ(牡5、美浦・中野栄治厩舎)。馬主のラフィアン・ターフマンクラブとM.デムーロ騎手の組み合わせはユーバーレーベン、マイネルウィルトス、マイネルファンロンらでお馴染みです。
熱いデータに該当するマイネルクリソーラで人気以上の激走が見られるかもしれませんね。
■松岡正海騎手にも大激走の可能性あり
続いて集計期間内最多となる5度の連対を誇る松岡正海騎手のデータを見ていきましょう。
同騎手は2011年のコスモファントム(1番人気1着)、16年のマイネルフロスト(5番人気2着)、18年のウインブライト(2番人気2着)、19年のウインブライト(3番人気1着)、20年のウインイクシード(6番人気2着)と全てマイネル・ウイン系の馬で好走してきました。
注目ファクターは騎乗馬の年齢で4歳または5歳馬に騎乗時は【2.2.0.2】で連対率66.7%。松岡正海騎手と若い馬の組み合わせは買いと覚えておきましょう。
同騎手は今年の中山金杯で大ベテラン牝馬のクリノプレミアム(牝7、美浦・伊藤伸一厩舎)に騎乗予定。年齢というデータから強調はできかねますが、本馬は昨年の2着馬ながらフタ桁人気になる可能性が高い状況です。この鞍上で中山金杯なら大激走が見られる可能性はありますね。押さえてみてください。
■集計期間内2勝の戸崎圭太騎手は?
最後に集計期間内2勝を挙げる戸崎圭太騎手のデータも見ていきます。
同騎手は2018年のセダブリランテス(1番人気)、23年のラーグルフ(1番人気)を勝利に導いただけではなく、21年には11番人気のウインイクシードで3着に好走しました。17年のドレッドノータス(3番人気10着)のように人気で大きく敗れたケースも見られますが、中山金杯では頼りになる騎手です。
注目ファクターは継続騎乗かどうかで、前走からそのまま継続騎乗だった場合は【2.0.0.0】の勝率・連対率100%です。
残念ながら今年跨るククナ(牝6、美浦・栗田徹厩舎)はそのデータに該当しないものの、戸崎圭太騎手が騎乗する以上は押さえる価値がありそうですね。
以上、中山金杯の気になる騎手データでした。データ注目騎手はマイネルクリソーラに跨るM.デムーロ騎手です。定年を控える中野栄治調教師に重賞勝利のプレゼントとなるかも注目してください。
1月6日~8日 重賞予想コラム一覧
中山金杯
追い切り評価
【追い切り診断】エピファニーを上回る「S」の最高評価 「調子落ちの夏場からV字回復」
【追い切り診断】マテンロウレオに迫る高評価で重賞初Vへ 「勝ち負け意識の攻め気配」
【追い切り診断】人気一角の5歳世代に辛口「B」評価 「この馬にはオーバーワークか……」
【追い切り診断】古豪に大駆け警報の高評価「A」 「併せ馬で相手を威圧しガラリ一変」
データ分析
【データ攻略】「本気ローテ」にビタハマリ “馬券内率77%”合致で軸候補に浮上
【データ攻略】「選択視は買い一択」の想定6人気以下 「2.2.1.1」でイクイノックス世代躍動か
【前走ローテ】「馬券内率77.8%」の鉄板軸馬 前走関西圏の重賞が“吉”
枠順傾向・全頭診断
【枠順】マテンロウレオら有力候補に“馬券内率8.5%”の厳しい壁 「狙わない方がいい境界線」
【全頭診断】想定6人気以下に「2.2.1.1」 ゴールデンハインドは“消し”も
穴馬予想
【穴馬アナライズ】「一戦毎に本格化、人気一角との比較でハンデも◎」 単勝“6人気”前後の刺客
【穴馬アナライズ】「この人気落ちはシメシメ、復調気配で馬券内に突入」 想定“8人気”前後の妙味
【穴馬アナライズ】「メンバー屈指の末脚、まとめて差し切るイメージはある」 単勝“10人気”想定の爆穴
【WIN5予想】新春は波乱予想で“想定2桁”人気も候補 京都金杯はドーブネ消し
【危険な人気馬】重賞ウイナーを“消し” 勝率わずか3.7%データ&2002年から勝ち馬ゼロの歴史
京都金杯
【全頭診断】ドーブネは“思わぬ凡走”も 「内枠なら評価爆アゲ」想定6人気以下は
【前走ローテ】“連対率50.0%”人気の盲点となっている明け4歳馬とは……
シンザン記念
【全頭診断】「朝日杯FSでも重い印を……」GI通用級と評した未勝利勝ち馬に注目
フェアリーステークス
【全頭診断】「重賞即通用の可能性は十分」想定5人気以下の馬とは
著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。