14日(日本時間15日)、米アリゾナ州メサでキャンプ初日を迎えたカブスの今永昇太投手。早速ブルペンに入り、36歳のベテラン捕手ヤン・ゴームズ相手に31球を投じた。この日は通訳なしで同僚とコミュニケーションを取るシーンが見られるなど、早くもチームに溶け込んでいる様子が見られた。MLB公式サイトなど米複数メディアが伝えている。
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■ゴームズ、きれいに捕球できず
MLB公式サイトが「イマナガ、カブスのキャンプで触れ込み通り」との見出しを掲げれば、地元放送局『マーキー・スポーツ・ネットワーク』も「イマナガのブルペンがカブスのキャンプで中心的な役割を果たす」と伝えるなど、今永は初日からインパクトを残した。
特に周囲を驚かせたのが、最大の武器であるストレート。トミー・ホットビー投手コーチは「本当にユニークな速球だ。彼とはその速球をどのように効果的に使うか話し合っている。それから他の持ち球も見た。彼は多くのレパートリーを持っている。本当に完璧なパッケージの投手だ」と称賛した。
昨年のWBCにおける今永のストレートは平均94.4マイル(約152キロ)、1分間の平均回転数が2566を記録。昨季MLBの左投手のストレートは平均92.9マイル(約149キロ)で、平均回転数は2234だった。今永はいずれもメジャー平均を上回っており、特に「伸びのあるストレート」を投げるのに必要とされる回転数は目を見張るものがある。
同投手コーチは「彼のボールは実際よりも速く感じられる。まるで最後まで失速しないような、上昇していく速球だ。今日はヤン(・ゴームズ)が受けたが、思っているよりもボールが早く来て、捕球するタイミングが遅れたと話していたね。きれいに捕球できなかったんだ」と、今永のストレートについて説明した。
■球団公式も「エグさを確認した」
ゴームズも「彼のヒーター(ストレート)は、今のところ前評判通りだ。確かに少し伸びる感じだ」と振り返った。ただ、ゴームズは女房役として「まずは彼のことを知り、その次に(具体的な)ピッチングの作業に移りたい。今はただ、彼を知ることが目標だ」と話し、まずは性格などを知ることから始めたいと主張した。
カブスの球団公式X(旧ツイッター)も「ショウタのエグさを確認できました、ジャスティン・スティール」とつづり、投球フォームの映像とともに投稿した。なぜ、ここで昨季16勝を挙げたエース格のジャスティン・スティール投手の名前が出てきたかというと、同投手はキャンプインする前から今永のすごさを認識。9日(同10日)には自身のSNSで「今日イマナガのブルペンでの投球練習を見た この男はえげつない」と記しており、球団の投稿は同投手の見解に「同意した」という形だった。
大ベテランの捕手でさえ取りにくかったというスピン量が多いストレート。最大の武器を引っ下げ、いきなり存在感を示した。
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文●SPREAD編集部