■ソールオリエンス
【中間調整】昨年の皐月賞では4角17番手。外に膨れ気味となる悪癖も見せつつ、圧巻の末脚から前を行く馬をまとめて面倒を見て快勝を収めた。日本ダービーは好位6番手で追走。スローで流れた分、前のポジションで運んだタスティエーラに利があり後塵を拝したが、クビ差2着なら負けて強しだろう。秋はセントライト記念2着、菊花賞3着、有馬記念8着。ダービー2着があるとはいえ、本質的には2000m以下がベストでは……を感じさせるパフォーマンスだった。有馬記念は最内枠から出遅れ、動きづらいレースを強いられた不利もあったか。
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その後、今年は中距離路線を歩むこととし、得意の中山で行われる中山記念から始動することが1月半ばの段階で決定。1月31日に美浦へ戻り、初時計だった2月4日に坂路13-13の軽快な動きを見せ、昨年秋の疲れがしっかり癒えていることをアピールした。1週前調教では今回初コンビを組む田辺騎手が騎乗し、ウッドで併せ馬。稽古駆けするこの馬らしい前向きさで先行馬を追い詰め、ラストはしっかり気持ちを乗せて2馬身抜け出しての先着を果たした。
【最終追い切り】レース当週も田辺騎手が騎乗し、ウッドで併せ馬。直線で左右の間へ割って入る形の3頭併せを行った。手前の変換に少しだけ手間取ったようだが、ギアチェンジしてからの切れはさすがの鋭さがあった。
【見解】手前の変換がそこまでスムーズでないのはいつものこと。それを補って余りある、長くいい脚を繰り出せる長所は健在どころかさらに凄みを増した感がある。田辺騎手との息もしっかり合っているようだ。「始動戦としては」のエクスキューズ付きとはなるが、万全の状態。
総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。