今週は中山競馬場で中山記念(芝1800m)が行われる。かつてはドゥラメンテやパンサラッサなど名馬が制した伝統の一戦。今年も楽しみなメンバーが集結した。
ここでは、過去10年データからマイネルクリソーラとヒシイグアスにフォーカスしたデータを取り上げる。
◆【中山記念2024予想/追い切り診断】ヒシイグアスを上回る「S」の最高評価 「ギアチェンジ後の切れはさすが」
目次
■マイネルクリソーラに「3.1.1.2」の追い風
前走中山金杯3着から臨むマイネルクリソーラ。連続好走を続ける1頭だが、GI馬ソールオリエンス、ジオグリフをはじめとしたメンバー強化の今回は人気ガタ落ちが予想される1頭だ。前走比2キロの斤量増もマイナス材料と言える今回、買い材料はあるのか……そんな声を払拭するデータがこちら。
・前走中山金杯で3着以内【3.1.1.2】
この条件での馬券内率は71%。該当馬にはウインブライト、ヒシイグアス、ラーグルフなどがおり、人気薄による好走も珍しくない“激走ローテ”となっているのだ。
前走中山金杯を振り返ると、8枠15番からスタート後に押して先団へ。しかし自身より内に速い馬がズラリと並んだことで道中は外々を回らざるを得なくなってしまっていた。距離ロスを考えると3着は立派と言える部類。内めの枠にテンのダッシュ力が強調できない馬が揃ったここは、前走ほどのロスは強いられないはず。人気の盲点が予想される伏兵の激走を警戒したい。
■ヒシイグアスに人気馬総崩れの【0.0.0.4】データ
マイネルクリソーラとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがヒシイグアスだ。昨年の本レースを制した古豪は、前走香港カップでも3着と健在ぶりをアピール。3度目の制覇に向けて視界良好と思いきや、今回はローテーションに不安を覚えてしまうデータが浮上した。
・前走香港カップ組【0.0.0.4】
母数こそ決して多くないが、特筆すべきはその内訳にある。1番人気トウケイヘイロー、ディアドラ、2番人気ダノンザキッド、3番人気ウインブライトと4頭すべて上位人気馬だったにもかかわらず馬券内ゼロの“0%データ”に抵触。中山記念における前走香港カップ組はまさしく“鬼門ローテ”となっているのだ。
舞台適性は間違いなくメンバー中NO.1と言えるが、国内に限っては昨年の大阪杯以降は惨敗が続く馬。歴代にも名を連ねるレベルの中山芝1800m巧者とはいえ連覇は簡単ではないだろうし、臨戦過程がネックとなる今年は厳しい競馬を強いられそうだ。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。